いま話題の「寒暖の差」→旅客機の操縦はどう変わる? パイロットの見解は… 違いをいろいろ聞いてみた
地上の寒暖差は旅客機の操縦にどのような影響を及ぼすのでしょうか。とあるパイロットに聞くと、方法こそ大きな変化はないものの、やはり影響は少なからずあるようです。
高温=エンジンの性能がいつもより落ちる…?
2024年10月2日、東京都心の気温が30度を超え、季節外れの真夏日となりました。その一方で翌3日は気温が大きく下がり、寒暖差が激しい日が続いています。この温度差は、旅客機の操縦にどのような影響をもたらすのでしょうか。
とあるパイロットによると、操縦の方法や感覚それ自体に大きな変化はないものの、気温の影響は多方面に及ぶようです。
例えば、滑走路の長さや路面状態、風向風速や気圧などの条件によって離着陸が可能な機体重量が何ポンドまでかを示す「離陸性能・着陸性能」という数字がありますが、気温が高くなるとこれが低下するといいます。また、高温時は空気が薄くなることから、エンジンの性能も低温時に比べて低下、上昇性能も影響を受け、上昇率も変わってくるとのこと。
そのため、パイロットはフライトのたびに入念な性能計算を行うなどし、安全性を確保しているといいます。
着陸降下時においても、夏の日中は市街地上空で上昇気流が強くなるため、市街地に近い空港では着陸前の気流のアップダウンが冬よりも大きくなるとも。そのため、着陸のパス(降下角度)キープと速度コントロールに気を払うといいます。
さらに着陸後の減速方法も、気温の影響を受けることもあります。
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