圧倒的な存在感!「日本最大級の油圧ショベル」もはや“戦隊ロボット” の桁違いスペックを見てきた

さらに大きな800tクラス油圧ショベルもあるけれど…

 ただ、作業量が大きいということは、それを動かすためのエンジンにも、相応に高出力なものが要求されます。

 EX5600-7の“巨体”を動かすためのエンジンはメーカーの選択が可能で、なんと電動タイプのオプションもあります。例えば、カミンズ製「QSKTA50-CE」V型16気筒ターボ・ディーゼルの場合は、出力1500馬力、排気量5万cc(50リッター)が2基搭載されます。

 日本最大の戦車である陸上自衛隊の90式戦車に搭載されているエンジンが出力1500馬力のV型10気筒ターボ・ディーゼルなので、EX5600-7は単純にいえば90式戦車の倍と捉えることができるでしょう。

 このような巨大な油圧ショベルが動く姿は「圧巻」のひと言。もはや車両ではなく、戦隊ヒーローものの合体ロボか、もしくは『マジンガーZ』や『コンバトラーV』などといったスーパーロボットが動いているかのようでした。ちなみに後者は「身長57m、体重550t」なので、重さだけならEX5600-7と同じです。

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超大型油圧ショベルEX5600-7の後ろ姿。左側面に装備する電気油圧式の格納階段で乗り降りする(乗りものニュース編集部撮影)。

 なお、前述したように運転席はマンションの3階部分に相当する高さのため、乗り込むのも一般的な油圧ショベルとは異なり、備え付けの階段を上っていきます。

 車体の左側面には、電動油圧式の格納階段があり、それを使って乗り降りします。また、万一、事故などが起きた際に運転手が迅速に脱出できるよう、運転席の外側には緊急脱出用シュートが備えられていました。

 運転席の中も見せてもらったのですが、操縦レバーなどは一般的な大きさの油圧ショベルと変わりません。屋外で駆動することを考慮して、エアコンやオーディオ(ラジオ)などは標準で装備します。また、死角を補うためカメラモニターが多く設置されていたのと、運転席の後方に、補助席(助手席)があったのが印象的でした。

 ちなみに、日立建機ではさらに大きなEX8000というモデルも製造しています。これは重さが約800t、バケット容量43立方メートルで世界最大級の大きさなのだとか。ただ、EX8000は分解しても日本の公道を使って運ぶことができないため、輸出専用モデルといってよい状況なのだそう。そのため、日本国内ではEX5600が最大級になるとのことでした。

 このように国内最大級の大きさを誇るEX5600-7は、2024年現在、栃木県の採石場で稼働しています。

【了】

【生産ラインの様子も】これが超大型建機EX5600-7の運転席です(写真)

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