横須賀に「第二の長距離フェリー」就航へ!? 東京九州フェリー絶好調 “地の利を活かす”一大プロジェクト始動!
航路はどこ行き? より巨大船も想定
しかし、現状ではこうしたニーズに対応しきれず、新たな航路を開設することもできません。横須賀港の抜本的なキャパシティを拡大するため、新港地区を埋め立てることで新規埠頭を整備することが決まったのです。
同埠頭には7万総トン級の自動車専用船(全長230m、満載喫水10.9m)や、2万総トン級のフェリー(全長222m、満載喫水7.4m)を受け入れ可能な岸壁を設けることを予定しています。
「どういった航路のニーズがあるのか、どういった土地のニーズがあるのかということについて、皆さまからの声を頂戴して、今後の施策に活かしていきたいと考えている。多くの物流関係者様の役に立てるような、首都圏の物流のハブ港になれるよう積極的な航路誘致に取り組んでいきたい」(岩本主査)
現在、時間外労働の上限規制などが自動車運転業務にも適用され、ドライバー不足に加えて物流コストが上昇することで、国内物流が停滞する「2024年問題」が懸念されています。政府は「2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性がある」と指摘。2023年10月に「物流革新緊急パッケージ」を策定し、「フェリー・RORO船などの輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増」するとした目標を掲げました。
横須賀市では横須賀―新門司航路に加えて、西日本方面への新規フェリー航路の開設を想定して新規埠頭の整備を行うとしており、横須賀港を発着地とする新たなフェリーが見られる日がやってくる可能性は十分にあります。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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