まるで関所!? みんなが避けた関東の元「有料の橋」たち 無料化で大変化!
川じゃなくても「有料の橋」短すぎる!?
有料ながら、あまりに短すぎるため、無料化が大幅に早まった例もあります。
新浦和橋(埼玉県さいたま市)
これまで見てきた橋はすべて「川を渡る」ものでしたが、「新浦和橋」はJR東北本線(貨物線、列車線、電車線の3複線)をまたぐ跨線橋で、線路によって分断された東西交通を円滑にする国道463号のバイパスとして1993年に開通しました。
しかし「わずか300mに150円」という割高な通行料金が不評となり、すぐ北側の県道65号(旧中山道)や南側の国道463号現道に迂回するクルマがあとを絶たず、市街地の狭い道が混雑するという悪影響を生みます。
そして通行料金収入での償還のめどが立たないことから、事業費を埼玉県やさいたま市などが負担する形で2003年に当初予定より20年早く無料開放されました。
なお同じさいたま市内の国道463号バイパスに架かる「新見沼大橋」も同様の状況から利用が低迷し、通行料金での償還が困難になっています。こちらは2026年に料金徴収期間終了を迎えますが、税金を使い損失を埋めての無料化となる見込みです。
※ ※ ※
橋を通る人から通行料を取り、その積み立てを橋の保守や架け替えに使うというアイデアは、大雨のたびに橋が流されることがあった江戸時代には成立していたビジネスモデルだと考えられています。
ただ物流に必要な一般道の橋については、やはり税金で(=有料道路というスキームではなく)整備するのが本筋であり、実際に有料道路として作っても、料金支払いを嫌って迂回するクルマで償還計画が大幅に狂うことはこれまでの例からも明らかです。行政には、適切な予算の配分により、重要な橋はできるだけ早く整備するという施策が求められているのではないでしょうか。
【了】
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
コメント