「東名つかわず名古屋へ」愛知県民が歓喜!? 「名豊道路」全通のインパクト 無料・信号ナシ100kmバイパスは想像以上にデカい!
「有料要らず」 でも“東名も使える”強さ
「最後の未開通区間」となっているのは、豊川為当ICから蒲郡ICまでの間です。この区間は山間部のため、多くのクルマが、山を迂回するように周辺道路を経由して、蒲郡ICから再び名豊道路に入って名古屋方面へ向かっています。
そのルートは主に2通りあります。豊川為当ICを下り、東三河環状線から海側の国道23号現道か、山側の国道1号へ回り込みます。
前者は蒲郡の海沿いのリゾート「ラグーナテンボス」付近、後者は国道1号から蒲郡ICまでのトンネルで混雑することがあり、地元の人によるとルートの利用状況は「半々」とのこと。ただ、国道1号ルートは途中で東名の音羽蒲郡ICに接続しており、急ぐ場合は東名を使う、という選択が可能です。
「有料を避けたいから名豊道路を使うという方も多いと思いますが、(音羽蒲郡ICを活用し)状況に応じて高速道路も利用できます」(国土交通省 名四国道事務所 山岡正和工務課長)
2014年に蒲郡ICが開通してから10年が経ち、地元の人には、名豊道路の「分断区間を迂回しながらの通し利用」も、かなり定着しているようです。だからこそ、分断の解消に大きな期待が集まっています。
経済面で名豊道路の大きな恩恵を受けている業界の一つが、愛知県の自動車産業です。自動車の輸出拠点でもある豊橋市の三河港に直結しているため、名豊道路では自動車を運ぶキャリアカーの姿も多く見かけます。
現状では「豊田市の自動車組立工場」から三河港までは1日2往復だそうですが、全線開通後は時短によって3往復が可能になるのだとか。このほか、農産物輸送や緊急時における海上からの物資輸送、緊急避難路の確保という面でも名豊道路の果たす役割がアピールされています。
ただ、今回の開通区間も含め、名豊道路のおおよそ半分は暫定2車線のため、渋滞を懸念する声もあります。未開通部の解消後は、早期の全線4車線化が求められそうです。
【了】
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