「夜行寝台バス」実現近し? 腰を伸ばせる「バスのフルフラット座席」国が安全指針を公表
国土交通省が、バスのフルフラット座席の安全性に関するガイドラインを公表しました。
2点式ベルトで体を固定
国土交通省は2024年11月19日、「フルフラット座席を備える高速バスの安全性に関するガイドライン」を公表しました。
現在、自動車の座席は、人が座っている状態を想定して強度試験や衝突試験などの安全要件が定められています。
ただ、自動運転の普及に伴い、将来クルマに乗る時は様々な姿勢を取ることが予想されます。また、海外の長距離バスではベッドタイプの座席も存在しており、日本国内でも高知のバス会社「高知駅前観光」がフルフラットに変形する座席を発表するなどの動きがあります。
そこで国交省は、フルフラット座席について、走行中の安全性が確保できるよう、衝突試験結果を踏まえた必要な安全対策をまとめした。
バスのフルフラット座席は、衝突時に乗客の頭や首を守る観点から座席を前向きに備えることとしています。つまり、脚が進行方向を向きます。
また、転落やけがを防ぐ観点から、足元部分は衝撃吸収材や900kgfの力に耐えられる転落防止プレートなどで覆い、頭部と側面部分は保護部材を設けたり転落防止措置を講じたりすることとしています。
さらに、車両がひっくり返った時に座席から放り出されないよう、腰骨部を拘束する2点式ベルトを備えます。3点式ベルトだと肩ベルトが首を圧迫するおそれがあるため、フルフラット座席での利用は避けるべきとしています。
このほか、脱出時の動線確保や経路の表示、動線確保のための手荷物置き場の確保なども安全対策として挙げています。
国交省は、ガイドライン適合のフルフラット座席を備えたバス車両が開発されることで、需要に対応しつつ、安全性の向上が図られることが期待されるとしています。
【了】
運賃は専有面積を考えると現行座席の2倍以上か。