「交通も大手デベロッパー」の時代なのか? 国内民間初の「フル電動航路」を繰り出す「三井不動産」の本気度
国内初となる民間企業によるフル電動旅客船の定期航路が2026年4月にスタート。運営するのは交通事業者ではなく、三井不動産です。東京の新たな水上交通網を構築する壮大な計画の一環です。
まず日本橋-豊洲「首都高地下化」と連動
2026年4月から、リチウムイオン電池を搭載した電動の旅客船「Nihonbashi E-LINER」が東京の日本橋―豊洲航路に就航します。国内初となる民間企業によるフル電動旅客船の定期航路、それを仕掛けるのは交通事業者ではなく、大手デベロッパーの「三井不動産」です。
この取り組みは、同社が推進する舟運プロジェクト「&CRUISE」の一環で、三井不動産が船主となり、観光汽船興業(中央区)が運航を担います。
日本橋街づくり推進部事業グループの市ノ澤伸幸上席統括は「日本橋、豊洲、築地という新旧3大市場を拠点に新たなネットワーク化と拡大を図り、観光だけでなく買い物や通勤といった日常で船を使っていただけることを目指している」と意気込みを語ります。
三井不動産は、首都高速道路の地下化が決まった日本橋川沿いの再開発(日本橋リバーウォーク)に携わっています。現在の日本橋川周辺は、首都高の高架橋が撤去されることで景観が大きく変わるため、日本橋室町一丁目地区などの大規模な再開発と連動し、「&CRUISE」で日本橋エリアとウォーターフロントを結ぶことで、新たな拠点形成へとつなげていく方針です。
日本橋街づくり推進部長の七尾克久氏も「日本橋は江戸時代から続く水の都だった。これを水都として再生するためには、景観や水質改善に加えて、船の運航の活性化に取り組むことが重要なテーマとなっている」と強調します。
まずは日本橋船着場(中央区)と豊洲船着場(江東区)を結ぶ航路を開業し、徐々にネットワークを広げていく計画です。豊洲側は三井不動産グループが運営するショッピングセンター「アーバンドックららぽーと豊洲」が発着地となるため、同社にとってもシナジー効果が期待できるでしょう。
さらに、同社は築地市場跡地の再開発にも代表企業としてトヨタ不動産や読売新聞グループと共に携わっており、2025年8月に発表した事業の基本計画では、舟運ネットワークを構築するための施設を設けることが明記されています。築地市場跡地の開業は2030年代前半以降となっていますが、陸上だけでなく水上のアクセスも期待されます。




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