「なんで予約せずに指定席に座ってるの?」 度々発生する新幹線での訪日客トラブル、原因はルールの違いにあり?

「座席指定の権利は優先」という概念は共有されている

 通常、予約が入っている座席の上には、赤いランプが点いたり、小さな電光掲示板に「Reserved(予約済み)」の文字や、予約が入っている区間が表示されたりすることが多いため、指定券を持っていない乗客は、この情報を頼りに席を探して座ります。JR東日本のグリーン車の座席の上にある赤と緑のランプと似たシステムと言えば分かりやすいでしょうか。

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ドイツ鉄道の特急「ICE」の一等車(乗りものニュース編集部撮影)。

 しかしこの際、要注意なのは、列車が発車するギリギリに入った予約は反映されにくい、ということです。予約区間を手書きした小さな紙を座席の上に挟み込んでいた時代の話ならまだ分かりますが、現在はデジタルなのにもかかわらず、反映されないのです。掲示板の不具合も多く、1編成まるまる掲示板が機能していないこともありますし、そもそも、掲示をまったく確認せずに一か八かで座る乗客もいます。

 こうした事情から、予約が入ってないと思って座っていたら後から来た乗客に追い出されることは多々あります。逆に、指定券を手に列車に乗り込んでみると、強面(こわもて)の男性が自分の席ですでに爆睡していて、自己責任で揺り起こし、どいてくれるように交渉しなくてはならない——。しかも、「座席指定しているからどいてくれ」と伝えると、「掲示板に書いてないじゃないか」とスゴまれた――なんていうことは、日常茶飯事なのです。

 それでも一応、「座席指定の権利は優先しなくてはならない」というマナーは乗客の間で共有されているため、指定席券を持っていれば、指定を無視して座っている先客とひと悶着あったとしても、最終的には座れることが一般的です。

 ただ、本当に困るのは、「座席指定の権利は優先しなくてはならない」という基本中の基本ともいえるマナーを、まさかの、鉄道会社が共有してくれないことがある、ということです。しかも、笑ってしまうほどに頻発するのです。

「予定とは別の車両型式で今日は運行するため、座席の指定は一切無効です」。こんなアナウンスが駅のホームで流れ、乗り込んでみたら、自分が指定した座席番号がそもそも存在しなかった――そんなことはもちろんのこと、「次の列車は5両目の車両を連結し忘れたため、5両目の車両の座席指定は無効です」なんていう、耳を疑うような「車両丸ごと忘れて来ちゃいました」事件も、筆者は何度経験したか分かりません。

【分かりやすい!】これが「自由席だけど予約席」な欧州の列車です(写真)

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