「真っ黒タイヤ売れません!」白ライン入りは苦渋の選択!? メーカーの知られざる葛藤とは

現在では「タイヤ=黒」というのが常識ですが、20世紀初頭の頃は「タイヤ=白」が当たり前でした。なぜ白いタイヤは見かけなくなったのでしょうか。実は今でも面影を残すタイヤもあります。

オシャレの基本は足元から

「ホワイトリボンタイヤ」や「ホワイトレタータイヤ」が市場から姿を消した背景には、低扁平率化が進んだ現代のタイヤとの相性が悪いうえ、一般的な黒いタイヤと比べて製造コストが高いことから、メーカーが積極的に製品開発を行わなくなったことがあるようです。

 また、これらのタイヤはファッション性が高い反面、美しい状態を保つにはまめに掃除が必要であり、縁石などをタイヤに当てないよう常に慎重な運転も求められることから、このような煩わしさを嫌うユーザーが増えたことも影響があるのでしょう。

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ヴィッツァータイヤの『フォーミュラX WSW』を装着した4代目ダイハツ・ムーブ。ごく普通の軽自動車もホワイトリボンタイヤを装着することでオシャレになる(山崎 龍撮影)。

 しかし、ホットロッドやローライダー、レトロルックなどといった自動車のカスタムカルチャー世界では、「ホワイトリボンタイヤ」や「ホワイトレタータイヤ」などの需要は依然としてあります。そのため、こうしたニッチ市場を狙って、アメリカのBFグッドリッチやヴォーグタイヤのほか、中国のヴィッツァータイヤ、シンガポールのレーダータイヤなどが精力的に製品展開しています。

 ただし、こうしたタイヤは流通量が少なく、サイズも限定されるため、どのクルマにも装着できるわけではありません。そこで「ホワイトリボンタイヤ」や「ホワイトレタータイヤ」を好むユーザーの中には、タイヤ側面を特殊な塗料で塗る「タイヤペイント」や、ホワイトリボンやロゴを専用のシールで再現する「タイヤデカール」、ホイールとタイヤの間にラバー製のホワイトリングをはめ込む「スキニーリボン」を用いてドレスアップを試みる人などいます。これらカスタムなら、一般的な黒いタイヤでも好みの仕様に変身させることができます。

「オシャレの基本は足元から」との言葉がありますが、平凡な黒いタイヤに飽きた人は「ホワイトリボンタイヤ」や「ホワイトレタータイヤ」へのカスタムにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【了】

【え、路線バスでしょ?】都心を走る「白文字タイヤ」を履いた大型バス(写真)

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

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