「自転車も止められるとは思わなかった」 全乗りもの“まとめて飲酒検問”した結果 去年から大幅増!
東京都内一斉の飲酒検問の実施。特定小型原付に位置付けられた電動キックボード、酒気帯び運転の罰則が加わったばかりの自転車にも、四輪車やバイクと同様にアルコールチェッカーが向けられ、飲酒による検挙は昨年より大幅に増えました。
同日昼には、電動キックボード・自転車に対する注意喚起も
警視庁交通執行課の丸山佳高管理官は、次のように話します。
「飲酒運転は例年、夏場に一度ピークがあり、年末にかけて再び増える傾向。飲酒の機会が増える。飲んだら運転しない。飲酒をしている人に車両提供を依頼しない。これだけで不幸な事故が1件でもなくなる」
深夜の飲酒検問に先立ち、同日日中には電動キックボードや自転車に対する「安全な利用促進に向けての街頭キャンペーン」も実施されました。
国道246号と都道319号線(外苑東通り)が交差する「青山一丁目」交差点では、往来の電動キックボードや自転車、歩行者らに向けて改正された道路交通法の内容を周知するリーフレットなどが配布されました。
啓発活動が展開された交差点前後の国道246号は、渋谷から赤坂を結ぶ幹線道路で、電動キックボードの利用も多い区間です。
東京都内の取締り件数と飲酒の割合を見ると、電動キックボードを中心とした特定小型原付と自転車では、明らか違う特徴が現れています。警視庁がまとめた2024年1月~10月の取締り検挙・人身事故状況の暫定値です。
●特定小型原付
・人身事故件数:199件、うち飲酒42件
・検挙件数:2万8086件、うち飲酒130件
●自転車
・人身事故件数:1万2430件、うち飲酒165件
・検挙件数:1万1827件、うち飲酒4件
川嶋泰雄管理官は、このデータに現れた傾向について次のように説明します。
「自転車は違反ではなく、事故を起こして飲酒が原因であることがわかることが多い。特定小型は、事故時の飲酒運転の割合がほかと比較すると多い。運転免許の有無に関係なく、酒に限らず、正しい乗り方、安全な乗り方をしてもらうためにキャンペーンを行った」
2024年中の東京都内の交通事故死者数は12月8日現在で134人。昨年より14人増えて、全国でいちばん多い状況が続いています。
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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