強制逆向き列車の恐怖 現在は
移り変わる危険列車
またかつて東京駅と岐阜県の大垣駅とのあいだで、夜行の普通列車が走っていました。現在、夏休みや冬休みなど「青春18きっぷ」シーズンに運転されている全車指定席の臨時快速「ムーンライトながら」の前身です。
「目覚めたら、知らない駅に停まっているわけですよ。慌ててホームへ降りると静岡駅でした。このとき深夜3時頃だったと思うのですが、ホームで駅弁が売られていたんですよね。なんかもうヤケクソになって、その駅弁を買って食べたんですが、その味はいまでも覚えています。夜行列車の到着に合わせて作っていたのでしょうね。温かくて、まるで慰められているようでした(笑)」(60代男性・神奈川県)
東京駅から神奈川の自宅へ帰るため東海道本線の大垣行き夜行列車に乗ったところ、気がつけば静岡駅だった、というわけです。
夜行列車の削減が進んだ現在、急行「能登」も大垣行き夜行普通列車も残っていませんが、かつては全国各地で、こうした例はあまり珍しくなかったといいます。寝過ごしの災難は近年、別の場所に移りつつあるかもしれません。
「上野東京ラインが来年、できるじゃないですか。あれ、ちょっと怖いんですよね。高崎線と東海道本線が直通するので、朝、必ず上野駅で起こされていたのに、下手したらそのまま小田原のほうまで行っちゃうわけですよ。そうなったら箱根でも行こうかな(笑)」(40代男性・埼玉県)
上野東京ラインのほか湘南新宿ライン、東急&東京メトロ&東武&西武など、直通運転の範囲が近年広がっておりますが、合わせて寝過ごしの危険も広がっていそうです。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
タイトルに偽りあり。
「逆向き列車」じゃなく「長距離寝過ごし列車」じゃん。しかも「強制」でもなくて「自業自得」。
長岡で向きが変わるっていう意味じゃ?