JR中央線、日本初の電車運行から110年

日本の鉄道で最初の電車が現在のJR中央線を走り、110周年を迎えました。

現在も保存されている最初の電車

 1904(明治37)年8月21日、甲武鉄道(現在のJR中央線)で日本の鉄道で初めてとなる、電車を使った営業運転が始まりました。

 「電車」とは、鉄道車両のうち電気を動力に使い、人間や貨物を乗せて自走するもののことです。当時の日本の鉄道は、蒸気機関車が動力を持たない客車や貨車をけん引するものばかりでした。

 甲武鉄道は現在のJR中央線の前身となった鉄道会社で、1889(明治22)年4月11日に新宿~立川間が開業。当時の途中駅は中野、境(現在の武蔵境)、国分寺です。1日4往復運転されました。

 その後、延伸を繰り返した甲武鉄道は1904年8月21日、飯田町~中野間で、「日本の鉄道で初」となる電車を使った営業運転を開始します。飯田町駅は、現在の飯田橋駅付近にあった駅です。同駅付近の目白通り沿いには、「甲武鉄道 飯田町駅跡」という記念碑が建立されています。

 このとき甲武鉄道で運転された電車は、いまも存在しています。さいたま市の鉄道博物館に保存されている「デ963形式電車」です。

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鉄道博物館に収蔵されている「デ963形式電車」。JR中央線を走る通勤電車の元祖はこの車両。

 甲武鉄道は1906(明治39)年、「鉄道国有法」に基づき国有化され、現在のJR中央線に至ります。

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