JR北海道「DMV」導入断念 全国へ広がる波紋

JR北海道が新型特急車両につづき、線路も道路も走れる「DMV」についても導入を断念すると伝えられました。この波紋は全国へも広がりそうです。

線路も道路も走れる「DMV」

 JR北海道は2002(平成14)年から、線路も道路も走れる車両「デュアル・モード・ビークル(DMV)」の開発を続けてきました。一般的なマイクロバスに鉄道用の車輪を装備。道路では通常のマイクロバスと同様に走行し、その取り付けられた車輪をレールの上に降ろすことで線路の走行も可能な車両です。線路走行時は後輪ゴムタイヤがレールの上に載り、それが回転することによって走る仕組みになっています。

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JR北海道が開発してきた「デュアル・モード・ビークル(DMV)」の概略図(資料:JR北海道)。

 2014年9月11日(木)、JR北海道はこのDMVの導入を断念すると、朝日新聞が伝えました。その理由は限られた資金や人員、時間を「安全対策」と「北海道新幹線」に集中させるためとされています。

 JR北海道では近年、車両トラブルや線路計測データの改ざんなど、鉄道運行で最も重要な安全性に関わる不祥事が続出。そのため「安全対策」が最優先の課題になっています。また2015年度には、新青森~新函館北斗間で「北海道新幹線」が開業する予定です。JR北海道は特に重要なこの2つの課題をクリアするため、限られた経営資源をそこへ集中。9月10日(水)に開発中止を発表した新型特急車両キハ285系と同様、DMVの導入も断念するというわけです。

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コメント

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2件のコメント

  1. DMVは、ローカル線だけに限らず、都市部でも使い道があるとおもいます。
    路面電車とバスの相互乗り入れという手法で、都市を活性化させるのも一つの手法だと思う。
    一例として、東京の池袋駅から充電式バスを走らせ、サンシャイン60の近くで、都電荒川線の軌道を走り、
    王子駅前付近とか熊野前で一般道路へ降りて、東京都北区の豊島5丁目団地までの路線とかを走らす。
    あるいは、渋谷駅からバスを走らし、東急世田谷線の軌道を走り、下高井戸とか、途中の上町で世田谷通りを走り、
    東京農業大学までDMVを走らすという考えです。

    実際に、名古屋市守山区では、ガイドウェイバスというのをやっているので、その考え方と取り入れるのです。
    都市部近郊で、この考え方が役に立ちそうな区間として、
    南海和歌山港線の終点から和歌浦までの景勝地へ走らす路線とか、
    大阪の阪堺線とバスの乗り入れも視野に入れるといい。
    この場合、バスはすべて電気式でいい。

  2. もう一つは、貨物列車のDMVというのがあってもいいとおもっています。
    貨物列車というと、コンテナが主流になっていますが、コンテナでさえも、駅に到着して、フォークで横持ちをして、
    また、コンテナを積載できるトラックに積ませるという作業が必要になります。
    旅客は歩くことができますが、貨物は必ず「積み替え」という作業が発生します。
    これはDMVと言っていいかどうかは不明ですが、
    大井ふ頭などで、海上トレーラーなどが多数います。これをトレーラーシャーシー毎線路に乗せて機関車で引っ張り、地方の中規模な駅についたら順次トレーラーを切り離しで、そこで待機しているトレーラーヘットにひかれて一般道に走る。
    これであれば、トレーラーヘットの運転士が、わざわざ東京まで海上トレーラーをとりに行く必要がなくなる。
    もう一つの方法としては、DMVトラックを幹線輸送に役立出る方法で、
    宅配便や路線会社のDMVトラックを連結して、出力不足を補うため、電気機関車を連結して東京から大阪までとか主要都市を走らすというものです。
    ここでは、DMVトラックは電気自動車として電気機関車と協調運転を行い、速度も130kmくらいだせるトラック電車で速達性を高め、トラlック運転士の不足を補う。これはまた、長距離高速バスにも適用できるとおもう。