「雨量計が規制値」でなぜ運転中止になるのか?

東北新幹線が大雨でも運転見合わせにならない理由

 雨量値で運転規制が行われる大きな理由は、多量の降雨によって地盤がゆるみ線路の陥没や崩壊、のり面の崩壊、土砂崩れなどが起きやすくなるためです。「のり面」とは人工的に土を盛ったり、山を切り開いて造られた斜面のことです。

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「盛土区間」を行く東海道新幹線(三島~新富士間)。

 新幹線の場合、安全性を考え道路とはすべて立体交差になっており、踏切をなくしました。そのため東海道新幹線では土を盛って地面を高くし、その上にレールを敷設する「盛土区間」が多く存在しています。この土を盛った盛土区間が、大雨の影響で陥没や崩壊といったトラブルを起こしやすいのです。

 1965(昭和40)年度、東海道新幹線では水害によって線路陥没など12件の線路故障が発生。「雨に弱い新幹線」と言われるようになってしまいました。盛土区間が多いことのほか突貫工事で建設されたこと、軟弱な地盤が多いことも、東海道新幹線が雨に弱い理由といわれます。

 東海道新幹線が1964(昭和39)年に開業した当初、運転見合わせになる「過去1時間の降雨量の累計」は20mmでした。

 しかし国鉄・JRはそうした「雨に弱い」という評判を払拭し、安全で安定した運行を実現すべく、のり面の強化や排水性の向上といった対策を実施。現在では運転見合わせになる「過去1時間の降雨量の累計」が60mmと、大きく向上させることに成功しました。

 さて東北・上越・長野新幹線では原則的に、降雨量による運転中止は行われません。そうした東海道新幹線の教訓を活かして建設されていること、盛土区間が少なくコンクリートの高架橋が多いこと、降雨対策の進化などがその理由です。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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コメント

1件のコメント

  1. >降雨対策の進化など    その具体的な内容を紹介して欲しかった