地名に現れる災害 土石流が列車を襲った例も

広島市の土砂災害について、その発生場所の旧地名が土砂災害発生箇所を意味するものだったと報道されています。過去にはそうした「災害地名」を持つ駅で、土石流が列車を直撃。しかし乗務員の機転で多くの命が救われたことがありました。

地名が物語る災害の歴史

 2014年8月20日(水)に広島市を襲った土砂災害について、土石流が発生した八木地区の旧地名が「八木蛇落地悪谷」だったとフジテレビが報道。「蛇」の文字が入る地名は土石流発生場所を意味するケースが多いことから、地名変更によって危険を伝える先人の知恵が失われてしまったという意見もみられます。

 土石流発生場所の地名に、なぜ「蛇」の文字が使われるのか。諸説ありますが、土石流が発生し谷沿いを流れ落ちるとまるで大蛇が這ったような跡になること、また土石流そのものを大蛇に例えたこと等が考えられ、こうした由来を持つ地名は「災害地名」と呼ばれます(必ずしも「蛇」を含む地名が土石流発生場所というわけではない)。

 「竜」の文字も同様の理由から、土石流発生場所の地名に使われる場合があります。そして「竜」の文字が入った駅で、列車が土石流に襲われたこともありました。1993(平成5)年8月6日、鹿児島市の日豊本線竜ヶ水駅で発生した土石流災害です。この災害は死亡者も出る悲惨な出来事ではありましたが、NHKのテレビ番組『プロジェクトX』にも採り上げられるなど、自然の脅威に立ち向かう人間たちのドラマもありました。

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