錆びついた日本の大動脈 東海道線災害で回送列車開放も

台風18号の影響により発生した土砂崩れで、不通が続く東海道本線。「日本の大動脈」として多数の列車が日夜走っていたそのレールにいま、異変が起きています。また災害を受けJR東海では急遽、新幹線の回送列車を開放する措置を始めました。

回送列車を急遽開放したJR東海

 東海道本線の不通を受けてJR東海では10月8日(水)から、並行する東海道新幹線を使った代替輸送を行っています。災害が発生した由比~興津間を含む定期券と回数券、10月5日(日)以前に購入した乗車券を持っている場合は、東海道新幹線の新富士~静岡間について、特急券を購入することなく乗車できるという形です。

 このため新富士~静岡間において新幹線の需要が高まることから、JR東海では10月9日(木)より新幹線の回送列車を営業列車に急遽変更。「こだま719号」として走らせる措置を行っています。

 東海道新幹線には、静岡駅7時38分発の東京行き「こだま708号」という列車があります。この列車は静岡駅始発ですが、静岡駅に車両を置いておく余裕がないため、毎日、車庫のある三島駅から静岡駅まで回送列車を運転。それが静岡駅に到着したのち、営業列車の東京行き「こだま708号」として折り返す、というダイヤになっています。

 JR東海はこの三島駅にある車庫から静岡駅への回送列車を、需要に応えるため「こだま719号」として一般乗客に開放したというわけです。もちろん新富士~静岡間については、先述の条件を満たせば特急券なしで乗車できます。

 この回送列車の開放措置は平日(月~金)のみで、土日祝日は行われません。またグリーン車3両への乗車はできず、それ以外の13両が自由席として利用できます。現在のところ終了時期は決まっていませんが、東海道本線が復旧し次第、終了すると思われます。

 ちなみにこの列車の利用にあたって、ある注意が添えられています。「座席をきれいに利用し、ゴミは降車時に持ち帰ってほしい」というものです。

 例えば東京駅に到着した新幹線の列車は、車内清掃を行ってから折り返し運転されます。しかし静岡駅では通常、折り返し運転が行われておらず、車内清掃の設備や人員が準備されていないからです。また使用される車両は喫煙車のある700系ですが、同様の理由から喫煙車でもタバコを吸うことは控えてほしいとのこと。いかにも緊急措置らしい内容になっています。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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