SLで上野駅を発車 日本を走った「オリエント急行」

「オリエント急行」を助けたペレストロイカ

「オリエント急行」の車両はフランスのパリからケルン(西ドイツ)、ポツダム(東ドイツ)、ワルシャワ(ポーランド)、モスクワ(ソ連)、イルクーツク(ソ連)、満州里(中国)、哈爾浜(中国)、北京(中国)、広州(中国)、香港と経由し、日本へやってきました(国名は当時)。

 ソ連を通過するのは何かと面倒なことがあったのでは、と思うかもしれません。また当時、関係者は実際にそう思っていたそうですが、フジテレビ出版『これがオリエント急行だ』によると、実際は比較的容易に了解が得られたといいます。当時ソ連では、「ペレストロイカ」をスローガンにゴルバチョフ大統領が改革政策を行っていました。

 香港から船に積載された「オリエント急行」の車両は、山口県下松市にある日立製作所に到着。新幹線車両の製造も行っている車両工場です。そこで日本でも走れるよう、車輪部分などの整備が行われています。

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尾久駅(東京都北区)付近の車両基地で休む「オリエント急行」。左側手前の青い車両は国鉄・JRの14系客車(1988年11月、恵 知仁撮影)。

 車両をヨーロッパへ返すにあたっては陸路ではなく、貨物船で直接送られました。

 ちなみに日本で運行された「オリエント急行」の料金は、9泊10日(車中4泊)の「日本一周」で1人88万8千円。上野~函館間を「オリエント急行」と寝台特急「北斗星」で往復するコースは1人16万7千円でした。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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