SLで上野駅を発車 日本を走った「オリエント急行」
ヨーロッパの豪華列車「オリエント急行」が、ソ連や中国の線路を走って大陸を横断。日本へ上陸し、各地で運転されたことがあります。そして1988年の12月23日、そのハイライトとして蒸気機関車「デゴイチ」が東京に登場しました。
実際に走ったパリ発東京行き「オリエント急行」
19世紀にその起源がある、ヨーロッパの豪華列車「オリエント急行」。アガサ・クリスティが1934年に発表した『Murder on the Orient Express(オリエント急行の殺人)』など、小説や映画の舞台にもなりました。
この「オリエント急行」、日本を走ったことがあります。そう命名した列車を走らせたのではなく、本物の車両をヨーロッパからソ連のシベリア鉄道、中国を経由して香港まで走らせ、そこから船で山口県へ輸送。北海道から九州までの各地で運転されたのです。フランスのパリでは「オリエント急行 東京行き」として出発式も行われました。
日本へ上陸したのち、山口県の車両工場で整備が行われた「オリエント急行」は1988(昭和63)年10月17日、広島駅を発車。その翌朝、東京駅へ到着しました。その後「オリエント急行」は青函トンネルや関門トンネル、瀬戸大橋も通過しています。
そして26年前の1988年12月23日、日本へやってきた「オリエント急行」のハイライトが訪れます。東京の上野駅から京都駅まで往復する日本国内の最終運行で、その先頭へ、この日に間に合わせるべく復活作業が行われたD51形蒸気機関車(デゴイチ)が登場。上野駅から埼玉県の大宮駅まで、煙をたなびかせながら「オリエント急行」をけん引したのです。
このとき「オリエント急行」をけん引した蒸気機関車はD51形498号機で、現在は群馬県の上越線「SLみなかみ」などとして走っています。
またこの「オリエント急行」日本走行は、フジテレビの開局30周年を記念し1988年に行われたイベント「オリエント・エクスプレス '88」で実現したものです。
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