新潟でJR東日本が稚魚放流 首都圏も無関係ではないその理由

首都圏のラッシュ時に変化する信濃川

 首都圏での列車本数が大きく増加する朝夕のラッシュ時は、信濃川で発電所から放流される水量も大きく増加します。そのため信濃川では、朝夕のラッシュ時に発電所から大量に放流された水を一時的に貯留し、ラッシュ時以外の水量が少ない時間にそれを放流。川全体の水量を平均的に保つ調整も行われています。

 また2011年4月、東日本大震災の影響で首都圏の電力事情が切迫しました。このときJR東日本の信濃川発電所では一時的に取水量を増加させる許可を得て、首都圏への電力供給を助けたこともあります。

 このJR東日本信濃川発電所では2008年、水利用の不正が発覚したこともありましたが、水力発電は二酸化炭素(CO2)を排出しないエコなシステム。首都圏の鉄道もそれに大きく助けられています。引き続き信濃川からエコなエネルギーを得ていくために、首都圏などで電車を安定して走らせていくために、今回の稚魚放流といった活動を通して自然や地域と共生していくことは重要な取り組みといえるでしょう。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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1件のコメント

  1. 稚魚放流なんて地域貢献で地元の目線をそらしつつ

    また取水とかで何か企んでるの?