北陸新幹線に「トワイライト」 全国からの「10時打ち」に耐えたJRの「マルス」

JR列車のレアチケットを入手したい場合に行われる「10時打ち」。北陸新幹線の一番列車や「トワイライト」最終列車でも多く実行され、全国から、しかもほぼ同時に申し込みが殺到しました。しかし、特に問題は起きていません。JRのきっぷはどのようなシステムで発売されているのでしょうか。

国立科学博物館に収蔵されているきっぷ発券システム

 JRの指定券などを発売するコンピュータシステムは「MARS(マルス)」と呼ばれており、それを管理するJRグループの鉄道情報システムによると、全国の駅、旅行会社におよそ9500台ある端末から一斉にきっぷの発売要求があっても、応えられる性能が持たされているとのこと。仮にすべての端末が「10時打ち」を行っても、問題ないわけです。ピーク時でも毎秒250コールを処理し、平均6秒で応答することが可能といいます。

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かつて駅で使用されていた、ページをパタパタめくって操作する「MARS」のM型発券端末(2011年10月、恵 知仁撮影)。

 「MARS」は「Multi-Access Reservation System」の略で、日本語で表すと「旅客販売総合システム」となります。誕生したのはJRがまだ国鉄だった1960(昭和35)年で、東海道本線の特急「こだま」(東京~大阪)4列車、2320席の販売から始まりました。

 以来「MARS」は「日本最大規模のオンライン・リアルタイム・システム」として、鉄道のきっぷ以外にイベントのチケットなども取り扱えるようになったほか、インターネット経由で個人利用も可能になるなど、半世紀にわたってより便利に、高性能に進化。1日平均で170万枚も発券しています。

 またトラブルも非常に少なく、稼働率は99.999%。鉄道の安定運行にはきっぷの安定発売も大切で、それに大きな役割を果たしているのがこの「MARS」なのです(各数字は2010年時点のデータ)。

 日本の鉄道とオンラインコンピュータシステムの発展に貢献した「MARS」。その最初のシステムであった「MARS1」は2008年度、電気学会から「でんきの礎」として表彰されたほか、情報処理学会からは「情報処理技術遺産」に認定されました。また国立科学博物館には、1964(昭和39)年に登場した「MARS101」という機械が収蔵されています。

 ちなみに「MARS」が導入されるまで、国鉄の指定券は電話と台帳を使い、手作業で販売されていました。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

2件のコメント

  1. そのマルスを開発したのは日立だという事はあまり知られていません。

  2. 国鉄が運用して日立が製作したが正しいんですけどね

    また国民が騙されてるのかな。

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