「第三次ミニ四駆ブーム」到来 夜な夜な「聖地」に集うファンたち

マシンを速くするポイントは「見た目で選ぶこと」

 ミニ四駆の車体には、その骨格ともいえる「シャーシ」が10種類以上も存在。それぞれに特徴があり、当然ながら走りに影響します。また現在は、別パーツなどによりカスタムすることが車体を組み立てる上で大前提となり、その選び方も走りに大きく影響してきます。そうなるとミニ四駆に精通していない初心者はもちろん、今のブームに乗り遅れたミニ四駆ファンは立ち入る隙がなさそう……と思えそうですが、半谷さんはそんな不安を一刀両断します。

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「タミヤ プラモデルファクトリー 新橋」地下1階のミニ四駆売り場。常に10人前後が店内を行き交い、熱心に商品を眺め、語り合う(2015年2月、種藤 潤撮影)。

「シャーシやパーツは頭に入れず、自分が愛せると思える、好みのデザインの車体を選んでください。そしてそれについてきたシャーシをどうカスタムするかを考える。シャーシはどれのほうが速い、ということはなく、それに応じたカスタムをしていくことで、確実に速くなります。大切なのは、愛せる車体に出会うこと。思い入れが強ければカスタムも丁寧かつこまめにするでしょうし、それがおのずとマシンの速さに反映されるものです」

 そうして「愛せる」車体に出会ったら、初心者向けのパーツや道具も揃っているので、可能なところから購入するのがオススメだそうです。

「まず、基本となる『ファーストトライパーツセット』を購入してください。各シャーシに対応したものが販売されています。それを元に何度も走らせて調整しながら、新たにパーツを買い足し、より速い愛車に仕上げていってください。おそらく何度もコースアウトしクラッシュすると思いますが、ここでくじけてはいけません。それからが始まりです」

 確かに私が見学した際も、レース場ではものすごいスピードで、車体が豪快にコースアウトしていく姿がよく見られました。しかし誰もが驚きもせず車体をひろい、カスタムスペースへと走り調整を開始。この「失敗からの学び」もまた、いまのミニ四駆における醍醐味のひとつなのかもしれません。

【了】

Writer: 種藤 潤

世田谷を拠点に活動するフリーランスライター。食や酒、旅を中心に、すまい、介護、教育、ビジネス、自衛隊、プロレスなど、本人がいつも把握できないほど多分野を網羅。結果的に他にはない独特のアプローチで、紙媒体、ウェブメディア問わず取材・執筆を展開。Twitter、Facebookでは日常の自分のご飯をつぶやき中。http://tanecreation.jp

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