「ジェイド」中国先行投入のワケ 最新日本車に敏感な中国人

2015年2月にホンダが発売した新しい低床ミニバン「ジェイド」。この車は既に2014年から、中国には登場していました。なぜ先行して中国で発売されたのでしょうか。そこには成長する中国の自動車市場とその文化がありました。

最新の日本車事情が気になる中国人

 この「ジェイド」は昨年、先行して中国市場に投入されたことから、中国を意識したモデルではないかという見方もありましたが、目指すはあくまでも世界。中国へ先行投入した理由を伺うと、最初に手を挙げたのがマーケットの大きい中国だったからといいます。

 自動車需要が高まり続けるアジア地域では根強いセダン人気がありますが、自動車市場として成長している中国の消費者たちは、日本にどんなクルマが存在し、人気を集めているのかということに敏感なのだそう。そんな現地の感度の高い人たちに、ワゴンのようなゆとりをもたらし、セダン感覚の走りも味わえる低床ミニバンは、新鮮かつ魅力的に映っているようです。

 ただ中国ではエンジンパワーが重視されることもあり、ガソリン仕様のみが投入されました。しかし日本市場において、燃費性能や静粛性などが優れるハイブリッドは、いまや外せないアイテムです。そこで更なる作り込みの開発時間が必要となり、日本ではこのタイミングでの投入となりました。

Large 20150305 01
2013年に登場した5代目「オデッセイ」は全高が1695mm(FF車)あるのに対し、「ジェイド」は1530mmとセダンに近い(画像提供:ホンダ)。

 「ジェイド」のハイブリッドシステムはコンパクトにまとめられており、キャビン側に備わるバッテリーなどのユニットを全てセンターコンソール内に集約。これにより、ガソリンモデルと同一のキャビンとラゲッジスペースの確保を実現しています。ハイブリッド化によるデメリットが少しでも生まれないように、というエンジニアたちのこだわりの現れでしょう。

 縮小傾向にあるミニバン市場。生活の変化と共に、ユーティリティ型のミニバンは不要となっている人も多いようです。そうしたなか、ホンダが得意としていた「ストリーム」や「オデッセイ」といった低床ミニバンのニーズをカバーしつつ、「ジェイド」は「走りの良さ」に磨きをかけることで、「アコードツアラー」など縮小しているツーリングカー市場からの囲い込みも狙っています。低床ミニバンの未来を占う1台として、「ジェイド」に注目です。

 【了】

Writer:

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス