横浜のベテラン二階建てバス、引退へ 長寿の理由はその「生まれ」

横浜最後の「22」

 また、今回引退する横浜市交通局の「ヨンケーレ・モナコ」はナンバープレートが「横浜 22 か 82-04」ですが、実は現在、首都圏ではとても貴重なものだったりします。

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横浜市交通局の「ヨンケーレ・モナコ」が最後の「横浜 22」(撮影:海老塚 土史木)。

 この「22」の部分は「分類番号」といって、自動車の大まかな用途(乗用、貨物、特種用途、大型特殊など)や大きさを表しています。しかし横浜ナンバーの分類番号は1998年5月登録分から3桁化され、「横浜 22」のナンバープレートを持つ車両は次々と引退。先述の理由から20年以上生き延びた横浜市交通局の「ヨンケーレ・モナコ」が、最後の「横浜 22」登録車なのです。

 横浜の「生き字引」となった市交通局の「ヨンケーレ・モナコ」。その車内もかつて観光周遊バス「ブルーライン」として活躍していた際にバスガイドさんが座っていた車掌台があったり、観光バスの雰囲気ながら降車ボタンが備わっていたりと、往年の雰囲気がそのまま残っています。

 しかしこの車両も、2015年3月末に行われるツアーで引退です。

 ちなみに「ブルーライン」の愛称が横浜市営地下鉄1・3号線で使われるようになったのは、2006(平成18)年のこと。それ以前から二階建てバスを使った観光周遊バスとして、横浜には「ブルーライン」の愛称が存在していたことになります。

【了】

Writer: 海老塚 土史木(バス交通文化愛好家)

幼少期にバスの方向幕へ興味を持ってから、バス部品収集、乗りバス、撮りバスなどに明け暮れる。鉄道模型収集や、鉄道・バス車両の第二の車生めぐりを絡めた旧道探索も趣味。鉄道模型雑誌の編集部でバス企画の編集を経験して以降、記事執筆やバス貸切企画、座談会などを通してバス趣味の楽しさを共有する活動を行っている。

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コメント

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1件のコメント

  1. JR西日本バスとJRバス関東が「ドリーム大阪号」「ドリーム京都号」にヨンケーレモナコを使っていた時に、毎週毎週乗っていました。
    2階最前列の席がたまらなくて、いつも「発売日(乗車日の1か月と1日前)の朝10時に「みどりの窓口」で「座席指定」を掛けてもらって乗っていました。
    最前列から見る東名・名神高速道路を颯爽として走る大パノラマは圧巻でした。
    横浜市で「最後の世生」を送っていたことも知りませんでした。
    「また一つ、昭和が消えた」、そんな思いでいまは淋しさでいっぱいです…言葉になりません。