「SLやまぐち号」新車導入 見た目は旧型、中身は最新に

戦前の花形展望車など3形式5両を復刻

 復刻される車両はマイテ49、オハ35、オハ31の3形式、5両です。

 マイテ49は1938(昭和13)年、東京~下関間を結んでいた当時の看板特急「富士」に使うため、製造された展望車です。「マイテ」の「イ」は「一等車」の意味で、名実共に往時最高級クラスの車両でした。復刻後も車内には2人+1人掛けの回転リクライニングシートなどを備え、グリーン車として扱われます。連結される場所は「SLやまぐち号」の1号車。津和野行き列車で最後尾になります。

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上段はマイテ49、下段左はオハ35、下段右はオハ31の車内イメージ(画像提供:JR西日本)。

 オハ35は1939(昭和14)年から製造された客車で、4人掛けのボックスシートが並びます。簡単にいえば標準的な当時の普通車です。戦前戦後を通して全国各地を走りました。復刻後、「SLやまぐち号」の2号車から4号車がこの車両になります。3号車には販売カウンターや、SLについて学べるフリースペースも設けられる予定です。

 オハ31は、1927(昭和2)年から製造された戦前を代表する客車です。木製車体が一般的だった当時、安全性の高い鋼製車体を本格的に採用し、初めて登場した客車でもあります。「ダブルルーフ」といって、天井部分が明かり取りのため二重屋根構造になっているのも特徴です。

 またこのオハ31は窓が小さく、現代の価値観ではあまり好まれないかもしれませんが、それも大きな歴史的ポイントだったりします。実はこの客車が誕生した昭和初期、大きなガラスを製造する技術が進歩していませんでした。小さな窓ガラスには、そうした歴史が写し出されているのです。車内には客席のほか多目的室や展望デッキが備えられるほか、車いす対応席も用意。復刻後は「SLやまぐち号」の5号車に連結され、新山口行き列車で最後尾になります。

 「SLやまぐち号」は1979(昭和54)年8月1日、当時の国鉄が初めて復活させたSL列車で、JR西日本はこの「SL動態保存の魁であるSLやまぐち号の持続的な運転のため」に今回、SL全盛期の旧型客車を復刻し、投入するとしています。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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コメント

6件のコメント

  1. 旧客のレストアと言えば聞こえは良いのでしょうけど、マイテ49 2は元から冷房付きですし、オハ31・35も冷房付きにするんでしょうか。そんな疑問です。

  2. この十数年、沈黙を守らざるを得なかったのだろうと思っていましたが・・・遂に攻めに転じて来ましたね!
    SLのパートナーとしてもそうですが、'04年以降運転の無かった、SLオフシーズン時の広島~下関間の唐戸市場お買いもの列車にも運用して欲しいところです(最後の年は、デッキの取り付けられた12系客車から後方展望を楽しみました)。また、キハ181系の時はDCかもめの気分を満喫しました。
    山陽路を展望車付きPCかもめの如き列車が驀進すれば、「展望車が無いのか・・・」と嘆いておられた内田百閒先生も、草葉の陰でお喜びになるのではないでしょうか?・・・妄想が過ぎましたが、今後の展開にとても期待しています。

  3. 客車の新造か。てっきりSLの新製かと思った。(今の法律上不可能)

    • とりあえず、「幻の蒸気機関車」こと設計図だけ残っているC63型は作って欲しい気がする

  4. 重量記号も意識して作ったのなら凄いこだわりようです。次は旧型国電も復刻して下さい。

  5. そのうち外形だけが蒸気機関車で中身は電動とかエンジン車で999のようなのが出てくるかもね。