鉄道業界初 360度の仮想空間で列車を運転
東急電鉄の子会社、東急テクノシステムが鉄道業界では初のヘッドマウントディスプレイ形運転シミュレータを開発しました。そこにはどんな意味があるのでしょうか。
前後左右、どこを向いても
東急テクノシステムは2015年4月10日(金)、鉄道業界では初のヘッドマウントディスプレイ(頭部装着ディスプレイ、HMD)を使用した運転シミュレータを開発したと発表しました。
鉄道業界では乗務員の教育、訓練にあたり実物の車両のみならず、こうしたシミュレータが活用されています。またシミュレータは実際に発生させることが難しい状況を作り出し、異常時対応の訓練などを行えるといった特長もあります。
そうした訓練に用いるシミュレータは実物の車両を模した大型のものから、運転台とスクリーンを使った中型のものなどが存在していますが、大型の装置は幅10m×奥行10m×高さ3m、中型の装置は幅2m×奥行3m×高さ3mと相応の設置スペースが必要であったり、簡単には移動できないといった面があります。
それに対し今回、東急テクノシステムが開発したヘッドマウントディスプレイ形の運転シミュレータは幅1m×奥行2m×高さ2mという小さなスペースで設置可能。会議室などにも置くことができるそうです。
また「頭に装着する」という構造を活かし、360度にわたって現実の列車走行環境をCGで再現。前後左右どちらを向いても、本番さながらの臨場感と緊張感が得られるのもポイントです。東急テクノシステム営業2課の吉村さんは「既存の中型シミュレータはどうしても前方だけになってしまいますので、360度CGにすることで訓練をバージョンアップさせることができます」と話します。
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