車内アナウンスをスマホで同時に多言語テキスト化 実証実験スタート

「音にトリガーを仕掛ける」という新しいカタチ

 この「おもてなしガイド」のシステムを作ったのはヤマハ。ずっと「音」を研究してきたヤマハらしい、アナウンスの「音」を利用した仕組みです。

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実証実験が行われている東急トランセの代官山循環バス(2015年5月、吉田メグミ撮影)。

 音の中にトリガー(引き金)となるデータを忍ばせ、スマートフォンのマイクを使ってアプリがそれを拾うと、アナウンスに対応する文字データが表示されます。アプリ利用者以外には、これまでとまったく同じアナウンスに聞こえるため、情報を必要としていない人のユーザビリティに干渉しないこと、3GやLTEなどの電話回線もWi-Fiも使用しないため、通信料金や電波状況を気にせずに、閉鎖された空間や地下でもサービスを提供できるのがポイントです。

「おもてなし精神はたいへん豊かであるのに、諸外国と比べても英語ができる人が少ないという日本人の弱みを技術力で補い『観光客がバスを使いこなせる東京』を目指していきたいと考えています」(経済産業省 通商政策局 欧州課 課長補佐 皮籠石直征さん)

 このサービスが意識しているのは、もちろん来たる2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催。それまでに飛行機、電車、バスなどの公共交通機関が、日本を訪れる外国人に正確な情報を提供できる状況を整えることは、大きな課題のひとつだからです。

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