そのままでは枯れていくニュータウン 目指すべき未来はどこに?

私鉄の経営は鉄道のみならず、沿線開発とセットで行うビジネスモデルが古くから行われてきました。東急電鉄の田園都市線は、そうした路線の代表的なひとつです。しかし時代が移り変わるなか、高度経済成長期に開発された地域(ニュータウン)には、住民の高齢化や人口の減少など、新たな課題が発生しています。そうした状況で東急は今後、どうしていくのでしょうか。同社の担当者にお話をうかがいました。

「手のひら」のように減っていく人口

 私鉄と沿線の開発は、切っても切り離せない関係です。沿線地域の開発により人口を増加させ、住民の需要を満たすことで鉄道会社は潤う。阪急電鉄の小林一三が作り上げたといわれるそのモデルを、私鉄各社は忠実になぞっています。

 小林一三と縁のある東急(東京急行電鉄)も、同様の戦略的開発を行ってきた私鉄のひとつ。しかし高度経済成長期に開発された地域(ニュータウン)には、住民の高齢化や人口の減少など、新たな課題が発生しています。そうした状況に今後、東急はどう対応していくのでしょうか。同社で沿線の開発を担当している東浦亮典さん(都市創造本部 開発事業部 事業計画部統括部長)にお話をうかがいました。

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多摩川を渡る東急田園都市線の列車(写真出典:photolibrary)。

■田園都市線沿線の開発は一段落しました

 かつて日本経済の発展とともに、東京の一極集中の受け皿として田園都市線がありました。環境がいい街づくりを進めていれば、自然に人口が増え続けていたのです。

 しかし、日本経済の成長を支えた世代は、年齢を重ねています。青葉台(神奈川県横浜市)の奥地では、実際に人口が減少しています。田園都市線全体で見れば自然増はありますが、いずれ減少するのは間違いありません。ただ、それを私たちは指をくわえて見ているわけにはいかないのです。

 都心を中心とした同心円をイメージしてください。経済的な発展と成長拡大が落ち着くと、都心から遠いところから、だんだん人口は少なくなっていきます。それも均等に少なくなるわけではなく、「手のひら」のように、魅力がない場所から欠けて小さくなっていくのです。「選ばれる沿線」にしないと競争に負けてしまう。私たちはそこで生き残れる路線であり続けたいのです。

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