そのままでは枯れていくニュータウン 目指すべき未来はどこに?

私鉄の経営は鉄道のみならず、沿線開発とセットで行うビジネスモデルが古くから行われてきました。東急電鉄の田園都市線は、そうした路線の代表的なひとつです。しかし時代が移り変わるなか、高度経済成長期に開発された地域(ニュータウン)には、住民の高齢化や人口の減少など、新たな課題が発生しています。そうした状況で東急は今後、どうしていくのでしょうか。同社の担当者にお話をうかがいました。

「人の流入」と等しく大切なこと

■そのためにどのような施策を行っているのでしょうか?

 私たちは「交通」「不動産」「生活サービス」という3つの柱を基本として、広く事業を展開しています。開発の終わりは仕事の終わりではありません。高齢化が進んだ地域をそのまま放置してしまうと、たとえば電車に乗らなくなり、過去に投資してきた生活サービス施設を利用しなくなるなど、街が衰退してしまいます。私たちは反復継続した投資・開発を続けていかなくてはならないのです。東急グループの目的として、沿線に人を流入させることもそうですが、流入した人をそこから離れさせないということも等しく大事だからです。

■では高齢者に魅力ある街作りとは?

 田園都市線沿線は多摩丘陵沿いに開発されたため、坂道が多いことも特徴です。そのため自動車運転免許を返納した方のための「パーソナルモビリティ」や、どこでも乗り降りできる「デマンドバス」を充実させています。さらにその進化系である「フルデマンドバス」も検討しています。お客様たちの行きたい場所をシステムに入力すると、コンピューターが最適ルートを算出、無駄のないルートでバスを運行できる、というものです。

 また、医療や介護もハードではなくソフトで対応できるように、横浜市と連携してクラウドシステムの導入をすすめています。「地域包括ケアシステム」と呼ばれ、患者情報をネットワーク上で共有できるものです。これは2017年の完成を目標にしています。「ここに家を買ってよかった」――そう思って人生を最後まで過ごしてもらえる、そんな街作りをすることが私たちの使命なのです。

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 誰もが必ず迎える「老い」という現実。「街」とは生き物であり、「街作り」とは作り上げた街のその後も見守り続けること。東急には「その責任がある」と東浦さんは言います。

【了】

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