駅の乗り換え、便利にしたのはひとりの女性 きっかけは子連れ時の苦い経験

駅のホームに、「どの駅は何号車で降りると階段が近い」といった情報が掲示されていることがあります。便利なこの案内、たったひとりの女性の苦い経験とアイディアで始まり、いまではオリンピックも関係するようになりました。

きっかけになった鉄道ファンのクレーム

 現在、ナビットでは「のりかえ便利マップ」のほか、各地の入札情報を一度に見られる「入札なう」や、全国各地の特売情報をメールで受け取れる「毎日特売」などといった様々なサービスを提供しています。その圧倒的な情報量のベースになっているのが、全国に5万5000人以上いる、主婦層をメインとした地域特派員です。

Large 20150713 01
階段やエレベーターの位置など、最初はすべて福井さんひとりの手で調査された(撮影:太田優翔)

 ただ会社が設立された当初「のりかえ便利マップ」に協力していたのは、実は主婦ではなく、全国の鉄道ファンでした。とある鉄道ファンが、福井さんの作った「のりかえ便利マップ」へクレームを入れたことがきっかけです。「絵がその路線の車両と違う」「じゃあ、あなたが作ってよ!」と福井さんが勢いで言ったところ、彼がふたつ返事で引き受けたのが縁となり、しばらくは全国の大学鉄道研究会の協力で、マップと構内図が作られていました。

 しかし近年は鉄道の知識だけでは間に合わない依頼が増えてきたこともあり、彼らだけではなく、主婦にも協力を求めるようになって、先述した主婦たちの協力で出来上がっている現在のシステム、サービスが確立されたといいます。

最新記事

コメント