南田マネージャー、鉄道本作りの難しさを語る

鉄道ファンの理想と現実

 鉄道ファンの南田さんが著書を出すにあたって、ボツにした、もしくは編集部からボツにされた企画が多数あったといいます。その内容と理由は以下の通りです。

「武蔵野線貨物列車24時間完全中継」
ボツ理由:体力的に持たない。貨物が多すぎる。

「さよなら北斗星乗車ルポ」
ボツ理由:チケットがとれない。

「釧路の太平洋石炭専用線ルポ」
ボツ理由:渋すぎる。取れ高に不安がある。

「全国グリーン車列伝」
ボツ理由:予算オーバー。

「四国一周おいしいフルコース旅」(2泊5日)
ボツ理由:長すぎる。参考にして旅ができない。

 また編集者と九州へ取材に出かけた際、南田さんにクレームが入ったといいます。その内容は、南田さんの立てたスケジュールに「食事の時間が全くない」。

 これらについて、鉄道ファンなら共感する部分も多いのでしょう。会場ではその都度、笑い声が起きていました。

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資料をスクリーンに投影して行われたトークショー。その資料の最後にはテールランプが(2015年9月26日、恵 知仁撮影)

 トークショー後、サイン会が行われましたが、鉄道ファンのサイン会はやはり一般的ではありませんでした。「本への入鋏」が行われています。「入鋏」とは、かつて駅でよく見ることができた、きっぷにはさみを入れる行為のことです。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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1件のコメント

  1. 先月のとちぎテレビの番組で、上野東京ラインで横浜へ、という企画をやってましたが、同行していた出演者の表情が終始固まって見えていたのは私だけでしょうか?