北関東の山中に眠る「伝説の未成道路」正式に“廃道”へ 建設中止から44年 自衛隊を動員し殉職者も出た36kmが“自然に還る”
壮大な観光道路として計画され、大部分が未成に終わった「塩那スカイライン」が正式に廃道となる見込みです。
高度成長期の壮大すぎた観光道路が「自然に還る」
栃木県は2026年2月18日、県道中塩原板室那須線「塩那道路」の約36kmについて、“廃道”に向けた法令手続きを実施していくと発表しました。高度経済成長期に計画されて一部のみが開通し、大部分の建設が中止された「壮大な未成道路」です。
「塩那スカイライン」とも通称される塩那道路は、県北の塩原温泉街と板室温泉街を結ぶ51kmの観光道路として計画されました。1100mの高低差を克服するつづら折りの道路の建設は困難を極め、自衛隊も投入し、殉職者も出ています。1971年に山岳区間の工事用パイロット道路が貫通し、翌年に県道へ認定。しかし1982年、中間部約36kmの建設が凍結されました。
現在は塩原側の7km、板室側の8.7kmのみが供用されていますが、その中間部は歩行者も含めて通行止めとなっており、冬季には全線閉鎖されます。
県はこの中間部について、一度も供用することなく2004年に利用廃止の方針を固め、国有林への返地に向けた植生回復の評価検討を2005年から実施。それから21年を経た2026年2月17日、評価検討委員会にて植生の回復を確認したといいます。これにて植生回復の経過観察および委員会も終了するということです。
今後は林野庁と連携し、県道の廃道に向けた手続きを、関係機関と調整しながら実施していくとしています。
漫画『頭文字D』では、この道路をモチーフとした未開通の道路「塩那の峠」も描かれます。ある意味で“伝説の未成道路”が、年月を経て自然に還りつつあるようです。




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