ユニークな東九州道の土地収用問題 その合理性は?
東九州道と、インドがいまひとつ発展できない理由
しかし、私権の主張がすべて認められると、公共事業はなにもできないというのも事実です。
たとえば、インドがいまひとつ発展の波に乗れないのは、「私権が強すぎるからだ」と大前研一氏は述べています。インドにはいまだに高速道路がほとんどありません。建設計画はあるものの、多くが住民の猛烈な反対でとん挫しています。インドは植民地支配からいきなり民主制になったことで国民の公共意識が育っておらず、「みんなのために譲る」という考えがないため、とのことです。しかし、インフラがなければ経済発展できません。
東九州道の未だ開通していないこの区間は、地方路線のなかでは重要度が高く、それなりの交通量が見込めます。付近にはトヨタ・日産・ダイハツの自動車工場もすでに立地しており、並行する国道10号線は渋滞に悩まされていました。
ただ現在はバイパスや東九州道の部分開通で緩和されていますし、未開通区間にも並行してバイパスがあるため、特に混雑が激しいという状況でもありません。
しかし、だからといって高速道路をつなげなくていい、という話にはなりません。実際に岡本氏も、高速道路の必要性は部分的に認め、だからこそ代替ルートを提案しているのです。
「公共のために私権が制限される」のは仕方ないとしても、「制限される」意思決定過程が公正でない方法で行われては、権利を「制限される」者にとってはたまりません。
ところで「正当な補償」が事業前の価値に基づく一時金であって、公共事業によって発生した価値に基づく(通行料金等)による使用料にならないのはどうしてでしょう?
みかん農家は公共性が無いとでも言いたい記事ですね。
自動車好きには道路が大事かもしれないが
みかん好きにはみかん農家大事である。