北陸新幹線で変わる黒部ダム “線”以外に波及する開業効果

離れた場所で起こる新幹線効果

 JR東日本長野支社は2015年6月、長野県内から日帰りで「アルペンルート」を走破する旅行商品を発売しました。

「これまで長野からの『アルペンルート』日帰りは時間的に難しかったですが、北陸新幹線の延伸で、それが楽にできるようになりました」(JR東日本長野支社)

 北陸新幹線の延伸開業により、長野~富山間の所要時間は約2時間40分から45分へ大きく短縮。これにより、「日帰りアルペンルート」という新たな“人の流れ”が誕生したわけです。

 新線開業の経済効果は、その“線”沿線へ注目が集まりがちですが、“線”の活用によって、遠く離れた場所にも効果が波及していました。

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日本一の高さ186mを誇る黒部ダム(2008年10月、恵 知仁撮影)。

 黒部ダムや立山室堂は都会から遠く離れた山奥の“秘境”というイメージがあるかもしれませんが、新幹線はその“秘境”を身近なものにしていました。

 ちなみに北陸新幹線の活用で、東京から日帰りで「アルペンルート」を楽しむことも可能です。東京駅を7時20分発の「かがやき503号」で出発。富山駅発の東京行き最終の新幹線は21時20分発「かがやき518号」で、東京駅23時32分着。ややハードですが、「アルペンルート」を走破したうえ、富山市内で食事をする時間もあります。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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3件のコメント

  1. よく読み取れませんでしたが、「片道を新幹線にしたら」日帰り可能だという趣旨でしょうか?

  2. いくらなんでも、このルートを日帰りは、もったいない。

  3. 富山地鉄のダイヤ次第
    方面別で考えたらハイシーズンでも
    1時間に1本レベルだし