羽田の増便、どう実現? 迫る必要性

賛否両論がある新たな案

 ただ、低い高度で都心上空を通る新経路には賛否両論が挙げられています。そのひとつは、以前から地域住民に問題視されてきた騒音です。

 これについては新しい滑走路の使い方、飛行経路を運用する時間帯を限ることが考えられています。具体的な運用時間は国際線の需要が集中する15時から19時(北風時は出発需要の多い朝6時から10時30分も含む)で、これ以外の時間帯では現行の飛行経路が継続される見込みです。

 ちなみに最新の航空機は、昔と比べて大幅に音が静かになってきています。たとえば、小型機の主流であるエアバスA320やボーイング737-800などの機材は、日本の高度成長期を支えたダグラスDC-8と比べて約30dBも静かになり、周辺地域へもたらす騒音も軽減されています。

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1960年頃と比較し、ジェット旅客機の騒音は大幅に低くなっている(画像出典:国土交通省)。

 また騒音のほか、低高度を飛行する際の安全性についても不安の声が多く寄せられています。

 国土交通省が示した新たな案は、説明会や特設サイトなどを通じて国と住民が双方にコミュニケーションを取り、聴取された多様な意見を考慮しながら進められる予定で、まず2016年夏までに「環境影響に配慮した方策の策定」が行われます。そして2017年から2019年にかけて、機能強化方策が実施される見込みです。

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コメント

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3件のコメント

  1. 米帝軍が未だに占領し続けている「橫田空域」の存在を無視して議論を行ってもムダだ!

  2. 成田へのアクセスが最初から良かったら、すでに羽田の国際線は廃れていたはずだろうに。何を今さら。
    日本の航空行政には「ハブ空港」(私の認識は乗り継ぎ空港)という概念が無かったのかもしれない。日本各地方空港からのハブ機能は仁川に奪われた。羽田をハブにしたいなら、発着数を数倍に増やせなければ無理だろう。無理だから作ったのが成田だったのではないのかな? 地方空港に掛ける予算をムダ金と見る人もいるが、成田と羽田両方に投資するのもムダと思う。

  3. 横田空域のお話がありますが、富士山周辺も危険な山岳波があることは有名になってほしい
    詳しくは英国海外航空機空中分解事故を検索
    横田空域を避けたとしても関西・九州方面は難あり?