終列車が朝 始発が最終の駅に 札沼線新十津川駅

2016年3月のダイヤ改正で、JR北海道に列車本数が1日1往復、午前9時40分が終列車という駅が登場します。

JR北海道有数の閑散区間

 2016年2月8日(月)、JR北海道は3月26日(土)のダイヤ改正以降における普通列車の時刻を発表。札沼線の終点である新十津川駅(新十津川町)は、列車本数が1日1往復になることが明らかになりました。

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終点の新十津川駅まで行く列車が午前の1往復のみになる札沼線(画像出典:JR北海道)。

 札沼線は札幌駅の隣、桑園駅と新十津川駅を結ぶ76.5kmの路線です。起点の桑園(札幌)駅側は大都市近郊路線として列車本数も多いですが、途中の北海道医療大学駅(当別町)から終点の新十津川駅までのあいだは、JR北海道トップクラスの閑散区間。2014年度のデータでは、輸送密度(1キロあたりの1日平均輸送人員)が81人で、営業係数は2162円(管理費を除くと1909円)、すなわち100円の収入を得るのに2162円の経費を要する状況になっていました。

 またJR北海道では、普通列車に使っている国鉄時代に造られたキハ40系ディーゼルカーが老朽化。残った使える車両だけでダイヤを組まざるを得ない、すなわち普通列車の運転本数を削減せざるを得ない、という状況があります。

 そうしたなかJR北海道は2015年、利用の少ない列車について運行を見直すと発表。この札沼線の末端区間(新十津川駅側)についても、3往復の運転本数を1往復に減らす方針を示していました。

日本一終列車が早い駅に

 1日1往復になる、札沼線の新十津川駅発着列車。同駅を発着する列車の時刻は、石狩当別駅(当別町)を7時45分に発車し新十津川駅へ9時28分に到着する「5425D」列車と、折り返し新十津川駅を9時40分に発車して石狩当別駅へ11時03分に到着する「5426D」列車、わずかこれだけです。

 また札沼線の浦臼~新十津川間はダイヤ改正以降、列車の運転本数が1日1往復になるため、新十津川駅のほか同区間にある鶴沼、於札内、南下徳富、下徳富の各駅についても、列車の発着本数が1日1往復になります。

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札沼線の終着駅、新十津川で折り返し発車を待つキハ40系ディーゼルカー(2007年2月、恵 知仁撮影)。

 2016年3月26日(土)のダイヤ改正で、午前9時40分発が“終列車”になる札沼線の新十津川駅。2016年1月31日(日)に終列車が午前8時台と日本一早かった阪堺電車の住吉公園停留所(大阪市住吉区)が廃止されているため、この新十津川駅が「日本一終列車の早い駅」になる見込みです。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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5件のコメント

  1. いっそのこと食堂車くっつけて、休日限定で札幌駅から往復させてローカル線レストランにした方が儲かるのでは…(^^;)。

  2. 賛成です。レストラン列車にすれば、札幌でホテル停まらなくても夜まで飲めたりするのでは。また雪景色見ながら北欧やロシア料理とかもいいかも、新十津川から滝沢駅までそんなに遠くないし、景色目的で食事だけして、滝沢から札幌にいくまたは旭川にいくとかできるだろうし。距離時間場所とか含めてちょうどいいとおもう。

  3. 928着は今のままだからしばらくは新十津川駅の小さな駅長さんは健在かな?(^ ^)

  4. 新十津川と滝川は近いですから、そこをくっつければ変わりそうですが…。

  5. JR北海道は新たな秘境駅を作り出そうと必死だな。