東海道・山陽新幹線のN700系、すべて「A」に 安全性など向上

“A化”で何が変わるのか?

 N700系の“N700A化”によって、何が変わるのでしょうか。

 ひとつは安全性の向上です。ブレーキ装置を「内周締結ブレーキディスク」から「中央締結ブレーキディスク」へ変更。JR東海の資料によるとブレーキ力が15%向上したといい、地震発生時などより速やかな減速、停止が可能になります。

 ダイヤの乱れに強くなったことも挙げられます。勾配やトンネルによる影響を予測しつつ、信号の指示速度を守りながら高い精度で目標速度に追随、一定の速さで走れる「定速走行装置」を搭載。より効率的な運転が可能になり、ダイヤが乱れた際の遅れ回復などで効果を発揮します。

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N700Aの主な特徴。「台車振動検知システム」は“A化”されたものには装備されない(画像出典:JR西日本)。

 そして、所要時間の短縮にも繋がっています。東海道・山陽新幹線用のN700系はカーブ走行中、空気圧で車体を傾けることで乗客にかかる遠心力を相殺し、カーブを高い速度で通過しても乗り心地の悪化を抑えられる「車体傾斜装置」を搭載しています。

 N700Aと“A化”されたN700系は、この車体傾斜に必要な空気タンクを“無印”のN700系より多く搭載。車体傾斜できる区間が増えたことにより、2015年3月からカーブの多い東海道新幹線で最高速度の270km/hから285km/hへの引き上げと、所要時間の短縮を実現しています(東京~新大阪間を2時間22分へ3分短縮)。

 ただ“A化”されたとはいえ、N700Aすべての機能を備えているわけではなく、車輪部分の状態をチェックする「台車振動検知システム」などは搭載されません。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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