ステルスはもう古い? 飛行機は「極超音速の時代」へ

「さらなる速さ」を目指し、発展してきた飛行機。しかし近年は「コンコルド」の引退など、その動きが停滞しています。なぜ、そうなってしまったのでしょうか。しかし近い将来、飛行機は再び「スピードの時代」になるかもしれません。

飛行機における「スピードの歴史」は終わった?

「新しい『オリエント・エクスプレス』は、ダレス空港(ワシントンD.C.)を離陸したのち、音速の25倍まで加速して低軌道(衛星軌道のひとつ)へ到達。東京に2時間以内で飛んで行くことができます」

 無限に広がる未来への可能性を想像させるこの演説は、1986(昭和61)年、ときのアメリカ大統領ロナルド・レーガン氏によるものです。もしこのような旅客機が実現すれば、日本からの“日帰りアメリカ旅行”も夢ではありません。

 実現の目処は「1980年代の終わり頃」とされましたが、レーガン元大統領の演説からちょうど30年が経過する2016年のいまをもって、東京~ワシントンD.C.間、約10900kmの飛行時間はおよそ14時間。平均対地速度は780km/hであり、音速(高度0mにおいて1225km/h)をはるかに下回るものです。21世紀を夢見る1980年代の人たちにこの現実を突きつけたならば、きっと落胆することでしょう。

 1903(明治36)年にライト兄弟が初の動力飛行を成功させてからおよそ100年の航空史において、その前半は「スピードの歴史」でした。ところが1960(昭和35)年頃にマッハ2~3、すなわち音速の2~3倍へ達したところで進化はストップし、今度は逆にマッハ1をわずかに下回る程度のところで停滞してしまいました。

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1999年に退役したアメリカ空軍の戦略偵察機SR-71「ブラックバード」(写真出典:アメリカ空軍)。

 マッハ3.2の人類最速機SR-71「ブラックバード」戦略偵察機(アメリカ)、マッハ2超のスピードを誇った最速旅客機Tu-144(ソ連)や「コンコルド」(イギリス、フランス)、実用機ではありませんがマッハ6.72のX-15(アメリカの実験機)は、ちょうど1950~70年代に開発され、現在では全ての機が退役しています。

 また、信じられないかもしれませんが、カタログ上はマッハ2.5の性能を誇る航空自衛隊の主力戦闘機F-15J「イーグル」ですら、戦闘時を含むほとんどの場合において、旅客機と大差のない音速以下で飛行しています。

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コメント

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6件のコメント

  1. ガキの頃、ブラックバードのプラモデル作って、それで遊んでたな~
    懐かしい

  2. いつかは枯渇する化石燃料の代わりの燃料を大量に精製する技術が出なければ、極超音速時代はたとえ実現しても、すぐに終わるでしょうね

  3. 妄想だけで記事を書くな!!

  4. Tr3なるufo技術、テレポート技術NASAが研究してきるらしいが?反重力やら時空の歪みを利用、物体でなく空間が動く?ブラックホールみたいな、、

  5. 無理。空力加熱の影響、衝撃波の問題、旋回性能、特に民間機の場合避けてとおれない安全性、それと高熱量を保証する燃料の問題が解決できない。
    特に戦闘機の場合は旋回の際の加重の問題が解決不能。

  6. 使い方によるはずで、少なくとも制空戦闘機はスーパークルーズは求めても、それ以外の最高速度はむしろ不要ということで、むしろ最高速を求めない方向に行っていたのが近年ですよね…。
    ただ高速化といっても、スパローですらマッハ4は出ていたはずで、何のためにどこまでの高速を必要とするのかによってさまざまに感じます。

    スクラムジェットじゃ制空任務につけませんし、まして日本にとっても邀撃で戦闘機をそんな高空に上げるのも実用的じゃありません。
    それらの機体迎撃用に成層圏飛行船に防衛火器積んだ方がなんぼかマシなように思えます。