陸自の激レア「水陸両用車」搭載した“ナゾ装置”の訓練に密着! 隊員が漏らした本音は
激レアの水陸両用車、陸上自衛隊の「94式水際地雷敷設装置」の訓練を取材したら、写真や動画では知りえない隊員の本音を聞くことができました。
用途に応じて複数の地雷あり
今回の練成訓練では、演習場での陸上訓練と、場所を移動して海上での航行訓練、この両方が行われました。
前者は、作戦を実施する地域までの移動も含めた訓練で、演習場に到着した後は車両を敵の航空機などから目立たなくするための偽装や、移動時には別途運搬される敷設装置(地雷の積載・散布に使用)を、大型クレーンなどを使って敷設車(水陸両用車)の荷台に搭載する一連の行程を演練していました。
敷設装置を搭載した後は、水際地雷の装填作業に入ります。地雷を載せた大型のトラックを敷設車と後ろ合わせに並べ、隊員はトラックの荷台上から装填作業を行っていました。敷設車に搭載された敷設装置は左右それぞれ1セット、計2セットあり、1セットには地雷を装填するレールが4本通っています。
水際地雷は用途により2種類あります。それぞれ「1型」「2型」と呼ばれており、前者は水深の浅いところに敷設するもので円盤形、後者は水深の深いところに設置するので円筒形をしています。なお、任務の性質上、両タイプを混載して装填することはないそうで、投下は1発ずつ行われ、1つのレールが終わると次に自動で切り替わる仕組みになっていました。
有事の際は、陸上の地雷原と同じく敷設エリアを面で構築するため、装填と投下を繰り返します。そのため、訓練でも夜通し装填と投下(陸上なので投下を模した動作)を繰り返していました。
今回は2型水際地雷(訓練用模擬地雷)を使用しており、1発50kgほどある地雷を手作業でフル装填していました。ちなみに、装填を担当する隊員いわく「1型水際地雷の方が多少軽量であるものの、円盤形で持ち難い」とのこと。そのため「円筒形の2型の方が重いものの、作業性は良い」ということでした。
それでは、次回は水上航行の訓練について紹介します。
コメント