設置進む脱線防止ガード、海底地震計の利用も 新幹線脱線対策の進捗発表
新幹線の脱線防止対策について、国土交通省が2015年度末時点の進捗状況をまとめました。線路や車両、高架橋や地震検知システムなど多岐にわたって対策が進められています。
車両の脱線・逸脱防止対策は完了
国土交通省は2016年4月5日(火)、新幹線の脱線対策について、2015年度末時点の進捗状況を発表しました。
地震が起きたときに列車の脱線を極力防止する装置や、仮に脱線した場合でも線路から大きく逸脱することを防ぐ装置を、JR各社は整備しています。
JR北海道とJR東日本、JR西日本(北陸新幹線)では、新幹線の全編成で、台車に「逸脱防止ガイド」を取り付けました。脱線時に、このL字型のガイドがレールに引っかかることで、線路から大きく逸脱することを防ぎます。
JR東海とJR西日本(山陽新幹線)、JR九州では、台車に「逸脱防止ストッパ」を取り付ける対策が完了。線路への「脱線防止ガード」や「逸脱防止ガード」設置を引き続き進めています。JR東海が実施している「脱線防止ガード」の設置は2019年度に完了する予定です。
構造物については、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災を受けて実施された緊急耐震補強がおおむね完了。このとき補強された高架橋は、2011年の東日本大震災で損傷がなかったそうですが、その後、各社でさらなる耐震補強を実施中です。
地震を早期に検知して、自動的に送電と列車を止める「早期地震検知システム」の充実も進められています。沿線や遠方における地震計の増設、列車のブレーキ力向上などが取り組まれており、各研究機関が設置している海底地震計の利用に向けても、関係機関との調整・連携を進めているとしています。
【了】
もちろん無駄ではないので推進して欲しいですが、万能や完璧を期待してもいけません。
これは線路がしっかりと原形をとどめてる前提で、線路からずれないようにする対策。
万一、路盤の横ズレなどでレールがグニャグニャのクシャクシャになってしまえば無力です。
また、縦揺れや路盤の縦ズレで車体が浮き上がってしまえば、やはり無力です。
こんなこと声高に言えないのは分かりますが、さも万能の切り札みたいにアピールされるとちょっとね。
中越地震の時の上越新幹線は走行中に脱線はしたが、融雪の為の溝(だったかな?)に引っ掛かって逸脱量が押さえられてたかと思う。完全でなくとも、被害が低減できれば有効であろう。