「京都鉄道博物館」誕生、その魅力とは 本州JR3社の博物館出そろう
「京都鉄道博物館」が日本一のもの
「京都鉄道博物館」は、2015年8月まで同地にあった「梅小路蒸気機関車館」と、2014年4月に閉館した「交通科学博物館」(大阪市港区)を統合、発展させる形で誕生しました。そのため、「蒸気機関車」について“日本一”としていいほど充実しているのが大きな魅力です。
その「魅力」は、単に「多くの蒸気機関車がある」だけでないのがポイント。先述のように「SLスチーム号」という、かつて実際の営業運転に用いられた蒸気機関車を使う「SL体験列車」が運行されており、「『本物の蒸気機関車』に乗って楽しむ」という鉄道系博物館でも珍しい体験ができます。
また隣接する梅小路運転区に設けられたSL専用の検修庫、そこで行われている整備作業を博物館側から見学できるのも特徴です。
JR西日本は「近代日本の産業遺産」である蒸気機関車の保存、継承を「社会的使命」と考え、この検修庫を「日本のSL動態保存(動く状態で保存すること)の拠点」にするとしています。
この検修庫で、整備のため分解されているSLが見られること、博物館で「SL整備」という「鉄道の現場」に触れられること、それぞれレアなものですが、親子で訪れる機会も多い博物館で、未来に向け行われている作業に立ち会えること、それにもまた意味があるかもしれません。
「京都鉄道博物館」の開館時間は10時から17時30分ですが、5月8日(日)までは9時から18時30分に拡大されます(どちらも入館は17時まで)。毎週水曜(祝日開館)と年末年始が休館で、料金は一般1200円、大学生・高校生1000円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円です(「SLスチーム号」は別料金)。
訪問の注意点として、駐車場がないこと、そして特に開館当初は混雑が予想されることが挙げられます。ゴールデンウイーク中の開館ということもあり、JR西日本は絶対に事故が起きぬよう注意しているといいますが、見学には余裕を持って訪れることが大切でしょう。また、前売り券をセブン-イレブンや駅「みどりの窓口」で購入しておくと当日、並ばずに入館できます。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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