世界最速美術館「現美新幹線」徹底解説 「黒い新幹線」その内部は
「現美新幹線」、乗車するには?
6両編成の「現美新幹線」。その最も新潟駅側になる16号車のインテリアを担当したのは、「映像」のアーティストであるブライアン・アルフレッドさん。壁面に大型モニターが並びます。
「新潟を実際に訪れ、その旅の経験にもとづいてアニメーション作品を製作したことを考えると、このように美しく展示されたことは感慨深いですし、多くの人々が『現美新幹線』に乗って僕の作品を見てくれることを大変楽しみにしています。僕がこの地域の古くからの美しい風景に魅了されたように、人々が僕の作品を見て心を動かしてくれることを願っています」(ブライアン・アルフレッドさん)
ブライアン・アルフレッドさんは多くの乗客と作品、そして風景を共有できればとても素晴らしいと考えているそうです。
2016年5月4日(水)時点で決定している「現美新幹線」の運転日は、5月8日(日)までの毎日と、6月26日(日)までの土日。各日とも、上越新幹線の越後湯沢~新潟間で臨時「とき」号として1日3往復が運転されます。所要時間は片道およそ50分です。JR東日本によると、7月以降の運転スケジュールは決まり次第、発表するとのこと。
きっぷについて、11号車は普通車指定席として駅「みどりの窓口」などで購入できます。一般的な上越新幹線の列車と同様に、必要なのは乗車券と特急券だけで、別料金はかかりません。
12~16号車のきっぷは、「現美新幹線」を利用する旅行商品としての販売です。オリジナルグッズがセットになった「現地発着コース」など複数のプランが用意されています。また7月以降、この12~16号車は自由席にされ、通常の新幹線自由席と同じ形で乗車可能になる予定です。
「JR東日本では鉄道の未来を切り開くため、単なる移動ではなく、列車に乗ること自体を楽しんでいただく取り組みを進めています。そこで『のってたのしい新幹線』にチャレンジし、誕生したのがこの『現美新幹線』です」(JR東日本、弭間俊則新潟支社長)
「旅」という非日常に、「現代美術」という非日常がさらに加わった「現美新幹線」。JR東日本は「新潟の旅に新たな魅力をお届けする世界最速の芸術鑑賞『現美新幹線』に、どうぞご期待ください」としています。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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