「スゴすぎるロマンスカー」に乗ってみた “フル加速”運転も!? 珍しい「GSE」の臨時列車どうやって実現

小田急ロマンスカーのフラッグシップ車両である70000形「GSE」。2編成しかないこの形式が団体臨時列車として運転されました。どうやって実現させたのでしょうか。

「GSE」や多摩線や開成車庫に入線

 新宿と箱根湯本を結ぶ小田急ロマンスカーのフラッグシップ車両である70000形「GSE」。この車両が2025年1月6日、小田急トラベルのツアー「開運!紅いロマンスカーGSEで白い富士を眺める新春初旅」の団体臨時列車として、通常は走行しない多摩線や開成車庫などに入線しました。

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新百合ヶ丘駅に停車中の「GSE」(乗りものニュース編集部撮影)。

「GSE」は2編成しかないため、団体臨時列車として運転されるのは珍しいケースです。実際にツアーに参加してみたところ、ロマンスカーが珍しいルートで走るというだけでなく、参加者を飽きさせない企画が盛りだくさんでした。

 今回のツアーは多摩線の唐木田駅から「GSE」に乗車し、新百合ヶ丘車庫線や小田原留置線、開成車庫に入線。最後は新百合ヶ丘駅で解散となるという行程でした。

 小田急電鉄によると「GSE」は通常、土休日は2編成がフル稼働となるため、平日しか団体臨時列車で使用することはできないといいます。平日は1編成が日中に喜多見検車区で待機する運用が組まれており、車両検査がない日だけ団体臨時列車で使用することができるそうです。

 今回の団体臨時列車は、この「本来は喜多見検車区で待機しているはずの編成」を使用して運転されました。

 朝に秦野駅から新宿駅まで「モーニングウェイ号」として走行した「GSE」を、喜多見検車区ではなく唐木田まで回送。団体臨時列車として走らせた後、夕方から新宿と片瀬江ノ島を結ぶ「ホームウェイ号」の定期運用に戻すという、まさに針の穴を通すような形で「GSE」の団体臨時列車が実現しました。実現に向け、小田急トラベルと小田急電鉄の担当者の間で、綿密な調整が続けられてきたのです。

「GSE」は唐木田駅を発車すると、多摩線を進んでいきます。同線は多摩センター駅から京王相模原線と並走しますが、この区間では、京王側の車両(乗り入れ車両の都営10-300形)と「GSE」の並走が実現するというサプライズも。

 実はこれ、今回の企画に携わった乗務員がアドリブで考案したもので、多摩センター駅を発車する京王の時刻を基準に、「GSE」の速度を調整して実現させたものでした。

【画像】珍しい!これが「開成車庫」に入線したロマンスカー「GSE」です

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