昔「広島空港」って都市部から激近でしたよね? 今どうなってるんですか?→驚愕の変身を遂げていた!

広島市中心部からバスで、片道1時間弱かかる「広島空港」。しかし広島空港は、かつて別のところにあったものの、紆余曲折を経て、現在の場所に移設されたという経緯があります。では「旧広島空港」は、現在どうなっているのでしょうか。

滑走路も「ちょっと残ってる!」

 2025年現在の広島空港は、広島市中心部からバスで、片道1時間弱かかる山中に存在しています。しかし広島空港は、かつて別のところにありました。すなわち、現在の広島空港は「二代目」になります。では「初代広島空港」は、現在どうなっているのでしょうか。

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旧広島空港(国土地理院の航空写真を加工)

 現状の広島空港は直線距離にして40km東に位置するため、東京から飛行機でわずか1時間半で着いたとしても、そこからさらにバスで広島駅まで向かう必要があります。ゆえに、東京から広島へ行くビジネスパーソンなどは、東京から広島駅までのトータルタイムや乗り換える手間など考えて、片道4時間弱かかっても新幹線を選ぶ人も多いようです。

 ただ、旧空港は広島の市街地のすぐそばに存在しており、これは現在の広島空港とはうって変わって「都市部からアクセス抜群」な立地を誇っていました。場所は広島駅から南西に約6km離れた沿岸部。自動車を使えば駅から30分かかりません。

 旧広島空港は、1961年に運用開始。滑走路は1800mの長さで1本体制ではあったものの、旺盛な需要もあり、ジェット旅客機の発着も日常的に行われていました。ただ利便性と引き換えに、市街地に近すぎたことで騒音が問題になったこと、さらに滑走路の延伸も困難であったことから、現在の広島空港を新設し、その機能を移管することになります。

 その後旧広島空港は「広島西飛行場」として再スタートを切り、当時プロペラ機で地方間の短距離路線を結んでいたJ-AIRがここを拠点としていたものの、利用率が伸びなかったことなどから2012年に廃港となりました。

 それから15年、旧広島空港の跡地はブロックごとに異なる形で生かされています。

 ターミナルビルは2025年現在、「広島ヘリポート」として、かつての形ほぼそのままに利用されているようです。そしてその横にはヘリコプター運航会社の格納庫が並んでいるほか、ヘリコプターが行き交うシーンを日常的に見ることができます。

 その一方で大きく様子が変わったのが滑走路です。旧広島空港はほぼ南北に滑走路が伸びており、北側にターミナルビルがあるといったレイアウトで、滑走路北側の一部は現在もかつての姿がほぼそのまま保たれています。ただし、南側部分の滑走路跡は改築されています。ここは2020年代に順次、大和ハウスが主体となって「広島イノベーション・テクノ・ポート」という工業団地として再開発されたもので、さまざま企業の真新しい工場が並ぶ光景に変貌しています。その結果、かつてここが滑走路だったという痕跡はほぼ残っていません。

【画像】新旧入り乱れすぎ! これが「旧広島空港」全貌です

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