総額3億ドル! ベトナムが韓国製兵器を購入へ やはり背景には中国の脅威が

ロシア系の兵器規格から変わるかも。

K9採用国の記念すべき10番目となるか

 複数の韓国メディアは2025年1月20日、同国とベトナムとのあいだでK9自走榴弾砲の売買契約が締結寸前であると報じました。

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韓国陸軍のK9 155mm自走榴弾砲(画像:韓国国防部)。

 K9自走榴弾砲は、ハンファエアロスペースが製造する韓国国産の大型自走砲です。足回りは装軌式(いわゆるキャタピラ駆動)で、重量は約47t。全周旋回が可能な砲塔には主武装として長砲身の155mm榴弾砲を搭載しています。

 ベトナムは、韓国からK9自走砲を約20門購入する予定とのこと。すでに、K9は自国以外にノルウェー、エストニア、フィンランド、ポーランド、インド、トルコ、オーストラリア、ルーマニア、エジプトの9か国に採用されているため、正式に契約が結ばれると、ベトナムは記念すべき10か国目になるとしています。

 契約金額は、約3億ドル(日本円で約470億円)にのぼるとみられており、K9によってベトナムは老朽化した旧ソ連製ならびに中国製の自走砲を更新すると見込まれます。

 ベトナムは、北部で中国と国境を接しており、1979年には中越戦争が勃発したほか、南沙諸島(英名スプラトリー諸島)をはじめとして南シナ海で中国などと領有権問題を抱えています。

 こうした背景から、最近ではアメリカが接近するようになっており、日本、インド、オーストラリアの3か国と連携体制を構築しているクアッド(日米豪印4か国戦略対話)の枠組みに韓国やニュージーランドとともにベトナムも組み込もうとしているほどです。

 なお、ベトナムは2023年初頭にK9自走砲の評価を実施しており、同年11月には軍の要員がシステムの使用方法や、操砲要領、保守整備訓練などを受けています。

【弾の補充はこんな感じ】K9の相棒「K10給弾車」給弾作業の様子(写真)

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