SL運転シミュレーターを「SLやまぐち号」新客車に設置 かまたきゲームも

JR西日本は「SLやまぐち号」に導入予定の新しい客車について詳細を発表。戦前・戦後の客車をモデルにしながらも、シートの間隔などは現代の水準で造られます。また3号車には運転シミュレーターも設置されます。

SL列車内でSL運転シミュレーターや、かまたきゲーム

 JR西日本は2016年5月12日(木)、「SLやまぐち号」に導入する予定の客車について、その詳細を発表しました。

 新造する客車は、戦前から戦後にかけて使用された車両を復刻したもので、2017年9月に開催される予定の「山口ディスティネーションキャンペーン」に向けて、今年6月から製造が開始されます。

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展望デッキが備わる1号車のイメージ(画像出典:JR西日本)。

 1号車のモデルは1938(昭和13)年に製造されたマイテ49。1等客室や展望デッキなどを備え、当時を代表する列車のひとつである特急「富士」(東京~下関)に連結されていました。「SLやまぐち号」ではグリーン車として使用される計画です。JR西日本は「当時の1等車の重厚な雰囲気を味わっていただくため、展望室、展望デッキを再現」するといいます。

 2号車から4号車は、戦前、戦後を通して全国で運行されたオハ35をモデルに復刻。なかでも3号車には「SLを体験・学べるスペース」が設けられます。実際の山口線の映像でSL運転を体験できる運転シミュレーター「機関士体験 走れSL『やまぐち』号」や、かまたき体験の「走れSL 罐焚き(かまたき)ゲーム」、SLを紹介するパネル展示など、子どもが学びながら楽めるコーナーです。JR西日本によると、SL列車内で楽しめるSL運転シミュレーターは全国初とのこと。

 5号車は1927(昭和2)年から製造されたオハ31をモデルに復刻されます。ただしボックス席の幅はオリジナルの1300mmから新客車では1700mmに拡大。さらにバリアフリーに対応させるなど、現代ならではの快適性を備えた車両になります。

「SLやまぐち号」は蒸気機関車による定期旅客列車の運行が終了した1975(昭和50)年の3年半後である、1979(昭和54)年に運行を開始。冬季を除く土休日などに、山口線の新山口~津和野間を1日1往復しています。

 JR西日本は「SL動態保存の魁(さきがけ)であるSLやまぐち号の持続的な運転のため、SLやまぐち号にSL全盛期の旧型客車を復刻した客車を新製・投入する」としています。

【了】

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