「SLやまぐち号」新車導入 見た目は旧型、中身は最新に

JR西日本は3月30日、「SLやまぐち号」用の客車を新しく製造すると発表しました。しかし、単なる新車ではありません。特別急行「富士」に使われていた一等展望車など、SL全盛期の客車が復刻されます。往時の雰囲気と現代の快適性を併せ持ち、数あるSL列車のなかでも大変珍しい存在になりそうです。

見た目は旧型、中身は最新、その名は「SLやまぐち号」

 JR西日本は2015年3月30日(月)、「SLやまぐち号」用に新しい客車を製造。2017年9月から投入することを明らかにしました。「SLやまぐち号」は新山口駅(山口県)と津和野駅(島根県)を結ぶSL列車です。

 日本各地では現在、様々なSL列車が運転されていますが、今回の客車製造で「SLやまぐち号」は、そのなかでも非常に個性的な存在になりそうです。「旧型客車」と呼ばれるSL全盛期に使用されていた客車を「復刻」するからです。

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往時の一等展望車などを復刻。外見は古くとも中身は新車になる「SLやまぐち号」(画像提供:JR西日本)。

 いま、昭和後期以降に製造された客車をレトロ調に改造し、使っているSL列車は珍しくありません。またSL全盛期から使われていた年代物の客車を用いたSL列車も、しばしば見られます。ただ前者はあくまで近代的な客車をレトロ調にしたものですし、後者はバリアフリーやトイレなどのサービス面で問題がないとはいえません。

 しかし「復刻」であれば、昔ながらの客車で快適な旅ができるというわけです。JR西日本は「SL全盛期の雰囲気を、お子様連れ等のお客様に快適にお楽しみいただけるように」と話します。車内にはベビーカー置き場や、温水洗浄機能付きトイレなどが用意されるそうです。また現代の車両は窓があまり開かない例が多く見られますが、復刻客車にはSLの音や煙を体感できるよう、開放型展望デッキや開閉窓が設置されます。

 「SLやまぐち号」用に復刻されるこの客車、表面上は古く見えても実態は最新という、まるで銀河鉄道アニメのような車両、といえるかもしれません。

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コメント

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6件のコメント

  1. 旧客のレストアと言えば聞こえは良いのでしょうけど、マイテ49 2は元から冷房付きですし、オハ31・35も冷房付きにするんでしょうか。そんな疑問です。

  2. この十数年、沈黙を守らざるを得なかったのだろうと思っていましたが・・・遂に攻めに転じて来ましたね!
    SLのパートナーとしてもそうですが、'04年以降運転の無かった、SLオフシーズン時の広島~下関間の唐戸市場お買いもの列車にも運用して欲しいところです(最後の年は、デッキの取り付けられた12系客車から後方展望を楽しみました)。また、キハ181系の時はDCかもめの気分を満喫しました。
    山陽路を展望車付きPCかもめの如き列車が驀進すれば、「展望車が無いのか・・・」と嘆いておられた内田百閒先生も、草葉の陰でお喜びになるのではないでしょうか?・・・妄想が過ぎましたが、今後の展開にとても期待しています。

  3. 客車の新造か。てっきりSLの新製かと思った。(今の法律上不可能)

    • とりあえず、「幻の蒸気機関車」こと設計図だけ残っているC63型は作って欲しい気がする

  4. 重量記号も意識して作ったのなら凄いこだわりようです。次は旧型国電も復刻して下さい。

  5. そのうち外形だけが蒸気機関車で中身は電動とかエンジン車で999のようなのが出てくるかもね。