「“軽(自動車)”に軽油」故障しないクルマが存在した!? 定番の失敗が許された「軽トラの先駆」とは
定期的に「軽(自動車)に軽油を入れて」故障させる人やそれを目撃した人が現れます。しかし、かつては「軽に軽油を入れなくてはならない」という珍しいクルマが実在しました。
よく聞くやらかしがOKなクルマ
「軽に軽油」あるいは「軽自動車に軽油」などの言葉でSNSを検索すると、必ずといってよいほど、新たな失敗談やそれを目撃した人の投稿が確認できます。誤給油はかなり頻繁にあるようで、日本自動車連盟(JAF)が注意喚起を出すほどです。
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クルマに乗るのに慣れている人ならば、「軽(自動車)に軽油を入れてはいけない」というのは常識です。しかし、かつては「軽に軽油を入れなくてはならない」クルマが存在したことがあります。農機や建機を製造しているメーカーであるヤンマーが販売した唯一のディーゼル軽トラックである「ポニー」です。
「ポニー」は、1958年5月に販売された小型空冷ディーゼルエンジンを搭載した軽トラックです。排気量は軽自動車の規格であった360cc未満でした。
ヤンマーが公開している「ヤンマー100年史」によると、1950年代、急速に機械化が進む農機や建機の市場でディーゼルエンジンを拡販していくため、農機や建機と作業機とのセット販売を検討していました。その先駆けとなったのが、農業用の運搬車として、臨時車輌部(当時)で開発が始められたディーゼル小形貨物自動車である「ポニー」だったそうです。
まず、1958年5月に軽自動車としての型式認定を受けたKT3形およびKT4形が50台販売され、その後、出力アップを図ったFM1形およびFMS形が1958年10月から1960年8月にかけて約330台販売されました。このFM1形から「ポニー」の愛称が付けられたのです。実は軽4輪貨物自動車の先駆的な存在でもあり、主に農業の現場で農機や農機具、農薬のほか作物の運搬などで活躍します。
ヤンマーは1960年10月に販売した「ポニー」のKYT形を最後に、自動車からは撤退しますが、同車で培った技術は後のトラクター開発に活かされたそうです。
なお、JAFが定期的に発表しているロードサービスの出動実績などで、「軽自動車なので軽油でよいと思った」という事例が確認されると、SNSでは、「ヤンマーポニー定期」「かつてヤンマーポニーという軽油で動く軽トラがあった」といった投稿をする人も定期的に現れます。
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