車の左脇をすり抜けていくバイク! 結局のところやっていいの?悪いの? 明らかに「すり抜け前提」の場所も…弁護士の見解は

長年バイクに乗っていても、「クルマの左脇をバイクですり抜ける」という日常的に見られる行為は法的に許容されるのか――と問われれば、曖昧な認識の人が多いのではないでしょうか。弁護士に聞きました。

「すり抜け」を直接禁止する法律上の条文はない!?

 日々バイクに乗る筆者ですが、実は今なお曖昧なのが「クルマの左脇をバイクがすり抜けて良いのかどうか」。認識が曖昧なため、前方にパトカーがいる場合は、とりあえず、すり抜けず涼しい顔で後方を運転してやり過ごす……みたいな感じで運転しています。

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クルマの左側をバイクがすり抜ける光景は日常的に見られる(画像:写真AC)

 果たして、道路交通法の条文では「バイクのすり抜け」はどのように示されているのでしょうか。この点について、弁護士法人・響(東京都新宿区)に所属する西原和俊弁護士(第二東京弁護士会)に聞きました。

「多くの方が曖昧な認識で運転しているのが実情だろう」と西原弁護士は話し、法的な側面で次のように解説しました。

「結論から言うと、『すり抜け』という行為そのものを直接禁止する法律の条文はありません。しかし、その運転方法によっては様々な交通違反に該当する可能性があり、一概に『良い』『悪い』とは判断できない、状況に大きく左右される運転行為であると言えます」

 やはり、なんだか曖昧にも感じますが、西原弁護士によれば、その行為が「追い越し」か「追い抜き」か、また、「違反行為を誘発するような運転」かが、「すり抜け」の違法性を判断する基準になるといいます。

「まず、『追い越し』と『追い抜き』の主な違いとルールを説明します。『追い越し』はウインカーを出すなど進路変更を伴い、前走車の側方を通過して前方に出る行為です。一方、『追い抜き』は進路変更を伴わずに前走車の前方に出る行為を指します。

道路交通法上の規制として、『追い越し』は“前走車の右側”を通行しなければならず(道路交通法28条1項)、進路変更を伴う左側からのすり抜けは違反となる可能性があります。

また、『追い越し』は、道路標識による禁止場所や交差点、横断歩道、その手前30m以内など(同法30条各号)は規制されていますので、これらの場所での『追い越し』に該当するすり抜けも違反となる可能性があります。

『追い抜き』についても、横断歩道とその手前30m以内(同法38条3項)などで禁止されており、これらの場所での『追い抜き』に該当するすり抜けは違反となる可能性があります」(西原弁護士)

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