空覆う煙 SLが西武の駅を約60年ぶりに発車 その目的は

西武鉄道の駅から、およそ60年ぶりに蒸気機関車が出発しました。しかし、実現は簡単ではなかったといいます。困難を乗り越えた目的はどこにあるのでしょうか。

線路がつながっていても、簡単ではなかったその実現

 2016年5月28日(土)、東京都西部と埼玉県に路線網を持つ西武鉄道の駅から、同社を代表する特急形電車「レッドアロークラシック」が見守るなか、およそ60年ぶりに蒸気機関車が出発しました。

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西武秩父駅で「レッドアロークラシック」と並んだ、秩父鉄道のSL列車「パレオエクスプレス」(2016年5月28日、恵 知仁撮影)。

 西武秩父駅(埼玉県秩父市)付近で、西武鉄道の線路は秩父鉄道とつながっています。この秩父鉄道がC58形蒸気機関車363号機で運行するSL列車「パレオエクスプレス」を、その連絡線を使って西武秩父駅発にしたものです。

 1957(昭和32)年まで、西武鉄道は新宿線の一部で蒸気機関車を運行。同社によると、その本線系統の駅から蒸気機関車が出発するのは今回が約60年ぶりとのこと。ただ線路がつながっているとはいえ、信号など設備の問題、また西武線では蒸気機関車運行の認可がなかったことなどから、簡単ではなかったといいます。

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電気機関車にけん引され、秩父鉄道線から入線する「パレオエクスプレス」。出発時、電気機関車のパンタグラフはたたまれていた(2016年5月28日、恵 知仁撮影)。

 そうした困難を乗り越えて実現した、このたびの西武秩父駅発「パレオエクスプレス」。埼玉・秩父エリアの主要な観光資源であるこのSL列車を活用し、誘客や同地の振興などを図るため、行われました。

「秩父地域の活性化は、弊社にとって欠かせません」(西武鉄道、若林 久社長)

 西武鉄道は、池袋駅から自然が多く残る秩父方面へ特急列車を運行しており、今年2016年4月には観光列車「西武 旅するレストラン 52席の至福」が登場。西武秩父駅では2017年春、温泉もオープンする予定です。

 人口減少社会を迎え、「選ばれるため」に他社線との差別化に力を入れている現在の首都圏大手私鉄。そうしたなか西武鉄道にとっての「秩父」は、“武器”になり得るかもしれません。

 このたび運行された西武秩父駅発のSL列車「パレオエクスプレス」は、明日5月29日(日)も走るほか、本年度中に複数回の実施が計画されています。

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コメント

2件のコメント

  1. SLなんて今のご時世からすれば
    反エコロジー以外の何物でもない。
    愚行はただちに辞めるべき。

  2. 原発を起動して老朽化した火力発電所を止めればSL1両止めるのより比べ物にならないくらいエコロジーになるのですが