熊本の脱線箇所に脱線防止ガード設置へ 他対策も前倒し 九州新幹線
国土交通省が第13回「新幹線脱線対策協議会」を開催。JR九州は熊本地震の被害を受けた九州新幹線について、列車が脱線した箇所およそ14kmに「脱線防止ガード」を設置することや、スケジュールを前倒しして車体に「逸脱防止ストッパ」を取り付けることを明らかにしました。
「逸脱防止ストッパ」は今年度中に取り付け完了へ
国土交通省は2016年5月27日(金)、同日に開催した第13回「新幹線脱線対策協議会」の議事概要を発表しました。
4月に発生した熊本地震により、回送中の列車が脱線するなどの被害が生じた九州新幹線については、JR九州が2項目の追加対策を決めました。
ひとつは、地震で列車が脱線した箇所の周辺およそ14kmに、2016年度末までに「脱線防止ガード」を設置すること。「脱線防止ガード」は地震時の脱線を極力防止することを目的に、レールの内側に敷設されるものです。九州新幹線ではこの「脱線防止ガード」をおよそ55kmにわたり設置する計画を進めていますが、今回この約14kmが追加されます。
もうひとつは、予定を前倒しして2016年度中に「逸脱防止ストッパ」を九州新幹線の残り6編成にも取り付けること。「逸脱防止ストッパ」は車両の台車部分(車輪のある部分)に取り付けられるものです。仮に脱線した場合でもこれが「脱線防止ガード」やレールに引っ掛かることにより線路から大きく逸脱するのを防ぐ役割があります。
協議会ではこのほか、JR九州が地震による脱線事故や構造物の被害などを報告。また、JR各社が現在実施している新幹線の脱線、逸脱防止対策については、できる限り早く進めていくための検討を行っていくことなどが確認されました。
【了】
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